札幌市　ヤングケアラー交流サロン　早ければ１０月開始へ　１５歳以上高校生対象に月１回

（札幌市 2022-06-28付）

　札幌市子ども未来局は、家事や家族の介護を担う１８歳以下の子どもが集う仮称・ヤングケアラー交流サロンを早ければ１０月にも開催する。原則１５歳以上の高校生を対象に、当事者同士で悩みや不安を打ち明けたり、情報交換したりする場を提供することで必要な支援につなげる。１０月以降、毎月１回の開催を予定している。

　市は昨年、市立学校に通う中学１年～高校３年の約５万１１００人を対象に実態調査。回答した３８４４人のうち「自分が世話をしている家族がいる」と答えた中学生は４・３％、高校生は４・１％だった。

　一方で、悩みを相談した経験については、中高生共に「ある」と回答したのが３割程度。「相談するほどではない」の割合が高かったものの「家族のことで話しにくい」「相談しても変わらない」「相談相手を困らせたくない」との回答も目立った。

　交流サロンは、調査の中で「自分の今の状況について話を聞いてほしい」と答えた高校生が２３・５％と比較的高かったことから、ニーズがあると判断。開催を決めた。

　対象は原則１５歳以上の高校生。１０月から毎月１回、放課後や休日に行う。オンラインでの参加にも対応する。時間はいずれも２～４時間程度で、当事者同士の交流や情報交換を行うなどのプログラムを想定している。

　また、社会福祉士や公認心理師などの資格を持つ相談員を配置。相談しやすい環境を整え、必要な支援につなげたい考え。多様な過ごし方ができるよう、フリースペースも設ける。

　参加者は８月にも募集を開始。ＳＮＳや学校を通じて周知する。

　担当者は「悩みを抱え込まずに打ち明ける場としてはもちろん、居場所として機能できれば」と話している。

(札幌市 2022-06-28付)