札幌市教委 人権教育推進事業 人間尊重の教育に再編 グランドデザイン等3研究推進
(札幌市 2022-06-27付)

 札幌市教委は、毎年実施している人権教育推進事業について、4年度から名称を「“人間尊重の教育”推進事業」と改め、事業構成や内容等を再構築して実施する。本年度は「多様性に向き合う学校教育の推進」「“人間尊重の教育”を踏まえたグランドデザインの作成・改訂」「札幌市の子どもをつなぐ自治的な活動の推進」の3つの研究事業を推進。研究推進校において「人間尊重の教育」ガイドラインを踏まえた取組を研究するほか、中学校生徒会・小学校児童会の子どもたちが自分の思いや意見を発信する全市の自治的な活動としての機会を創出していく。

 市全体の共通指標「学習などについてのアンケート」等の結果によると、札幌市の子どもは「自分にはよいところがある」「自分が必要とされていると感じる」などの自己承認に関わる意識が低い傾向にあり、子ども一人ひとりが自分の良さや可能性に気づいていけるような取組を図っていくことが課題として挙がっている。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響によって、教育活動に様々な制限が生じたことは、人との関わりの中で、自尊感情や他者を思いやる心を醸成していく経験が子どもにとって極めて重要であることを再認識するきっかけとなった。

 市教委はこれらのことから「人間尊重の教育」を市学校教育の重点の基盤として位置づけ、子どもが自分の良さや可能性を認識するとともに、多様な人々と協働しながら社会的変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となる教育の推進を一層、図っていくとした。

 これらを踏まえ、平成23年度から前年度まで実施してきた人権教育推進事業を本年度から「人間尊重の教育」推進事業と改称し、事業構成や内容等について再構築を図った。

 本年度は①多様性に向き合う学校教育の推進②「人間尊重の教育」を踏まえたグランドデザインの作成・改訂③子どもをつなぐ自治的な活動の推進―の3つの事業研究を実施。広い視野を持ち同僚性を発揮しながら、様々な人権課題に向き合い、教職員自らが相互承認の感度を高めていけるような研究を進める。

 ①では、研究課題に「“多様な学び”“多様な性”を切り口とした教育活動や学校施設利用等の見直しと推進」「アイヌ民族に関する学習を窓口に人間尊重の意識を育む研究」の2つの課題を設定。「教職員自らの人間尊重の意識の向上」を視点に「多様な学び」や「多様な性」を切り口とした教育活動や施設利用等の見直しと推進を図る。

 また、個別の人権課題の一つとして、アイヌ民族に関する学習を窓口に人間尊重の意識を育む取組を推進する。

 ②では、研究の視点に「校種間の連携による連続性のある人間尊重の教育に向けた取組の推進」を設定。市の「小中一貫した教育」において、学校と家庭が地域を基盤としながら、子どもの自尊感情と他人を思いやる心や生命を尊重する心の醸成を図っていけるよう「小中一貫した教育」グランドデザインの作成・改訂を進める。

 ③では、視点に「子ども自身が自分を振り返り、人間尊重の意識の高まりに気付く手だての構築」を掲げ、より良い社会を実現していく担い手として、子どもが自分の思いや考えを発信や交流し合い、その思いや考えを実現していけるよう、市立学校全体の自治的な活動「仮称・さっぽろっ子サミット」を推進する。

(札幌市 2022-06-27付)

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