札幌市　雪学習プロジェクト検討会　動画・ネット教材充実へ　検討会　早ければ７月中旬始動

（札幌市 2022-06-24付）

雪学習を実施するために必要な教材および支援内容（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市建設局雪対策室が進める札幌雪学習プロジェクトの４年度検討会が、早ければ７月中旬にも始動する。雪対策室が実施したアンケート調査によると、動画やインターネット教材の充実を求める声が高まっていることが明らかになった。１人１台端末を活用した授業への対応や、昨冬の雪害による雪対策への関心の高まりに対応した学習プログラムの充実が検討の俎上に載るとみられる。

　札幌雪学習プロジェクトは、市内の小学生を対象に、雪を楽しんだり、雪を克服したりする活動を通して、冬の暮らしに関心を持ち、除雪などに対する意識の高揚を目的に、雪対策室が平成２７年度から実施しているもの。

　各学校においては、小学校教諭が作成した学習指導案や写真素材等を学習教材としてセット化した学習パッケージをはじめ、ニューズレター「雪学習ＮＥＷＳ」、６年生向けの資料や４年生向けの動画、学習資料「大雪と共生する２００万都市さっぽろ」と教師用指導書を活用し、道都・札幌における冬の暮らしに関する知識の定着を図っている。

　雪対策室は、プロジェクトの取組の浸透状況や実施効果を調査するため、平成２８年度および令和元年度、３年度の３回、小学校１９９校を対象にアンケート調査を実施した。

　３年度の調査結果をみると、ニューズレターの内容が「非常に良い」「良い」と回答した割合が９８・９％を占めた。雪学習に役立っているかの質問では、８４％が「役立っている」と回答した。

　６年生向けの資料、教師用指導書は、活用した学校のほとんどが「非常に良い」「良い」と回答した。一方で「授業で活用している」「授業づくりに役立てている」と回答した割合は半数程度にとどまった。

　学習パッケージの認知度については「知っている」と回答した割合が５６％。このうち、授業での活用または授業づくりに活用しているのは５４％だった。活用した学校からは「教材化へのヒントが多数ある」「手軽に使える」「分かりやすい」など内容を高く評価する声が多かった。

　校外連携による雪学習の実施状況については「土木センターや雪対策室などによる出前講座」が１３９校、「雪かきチョボラ・雪遊びチャレンジへの参加」が１３４校と突出。このほか「除雪作業者による出前講座」「町内会などとの雪まつりや雪中運動会など」の取組が挙がった。

　雪学習を実施するために必要な支援について、３ヵ年の変化をみると「教育課程編成の手引きに記載がない事例などを多く載せてほしい」という声が多く寄せられた。

　一方でインターネット教材やダウンロード可能な動画など、デジタル教材の充実を求める声が年々高まっていることが明らかになった。

　雪対策室は「ＧＩＧＡスクール構想による１人１台端末の導入で、デジタルコンテンツのニーズが高まっている」と分析。また、ニューズレターで取り上げる話題についても、雪と生活や環境問題に関する情報を求める声が増えており「昨冬の雪害に代表されるように、雪学習への関心が一層高まっている」とみる。今後は毎年度、雪学習プロジェクトへのアンケート調査を実施する考えだ。

　本年度の検討会は、早ければ７月中旬にもスタートする見通し。学習プログラム検討に当たっては、こうした意見を踏まえたデジタル教材の充実や、より一層の活用に向けたダウンロードフォルダの一元化、新たな課題に対応した指導資料の内容充実などが俎上に載るとみられる。

(札幌市 2022-06-24付)