札幌市小学校長会 3年度研究成果 研究集録から 第4回 豊かな心育成部(札幌市 2022-06-27付)
◆副主題:多様性を認め合い、自他の命を大切にする豊かな心を育む学校経営の在り方
【研究内容】
変化の激しい社会、取り巻く環境による課題が多い中において、子どもが社会の一員として自立し、共に支え合って生きていくために、その基盤となる「豊かな心(他人を思いやる心、生命を尊重する心、自然や美しいものに感動する心等)」を育むことが、学校現場に強く求められている。
「多様な在り方を相互に認め合う」「人や社会とつながる」「連携・協働して課題を解決する」ことができる心豊かな子どもの育成を目指し、校長会が積み重ねてきた研究の成果を大切にしながら、各校の取組の成果や課題等を通し、より効果的な校長の役割・リーダーシップ、学校経営の在り方について考えていく。
【取組の具体】
▼研究体制
6つの研究グループを編成し、年間4回のグループ交流と2回の全体交流を行う。
・担当校を訪問し「担当校の強みやよさ」から豊かな心と結び付けた内容について協議する
・2月の研究大会において、取組の内容や成果について全市に発信する
・研究推進委員を中心に研究やまとめを進める
▼2年間の取組
同部では「今、子どもに“どんな心を育むか”」について考えてきた。育てたい心のキーワードを「命」「思いやり」「感謝」「自分」とし、4つの視点に分かれて実践交流を進めてきた。
3年度は、前年の成果と課題を踏まえ「心豊かな子どもの姿とは?」「豊かな心を実現する校長の関わりとは?」について考えることとし、新たな4つの視点を設けて実践交流を進めた。
▼研究の視点ごとの取組
▽視点1「特別な教科 道徳と道徳教育」
・教育課程の見直し
・自己肯定感を高める指導
・9年間を見通した道徳
・考え、議論する道徳の授業
・道徳教育推進教師を校内研修で有効に生かす
▽視点2「小中一貫した教育」
・義務教育9年間の学びの充実と意識
・小中併置校の強みを生かした取組
・小中9年間の縦割り活動(飼育栽培プロジェクト)
・グランドデザイン、組織、教職員の連携
▽視点3「自校の教育環境」
・コロナ禍だからこそ必要な活動
・異学年活動
・体験活動
▽視点4「いじめに関する指導」
・児童理解と児童支援
・校長として全市の状況を知り、学校経営、児童支援、外部との連携等に生かす
【各視点の成果と課題】
▼視点1
▽成果
・学校課題を把握し学校経営方針に打ち出すことで教育活動や組織の動きが変わる
▽課題
・「考え、議論する道徳とは」の点においては、今後も研鑚が必要になる
▼視点2
▽成果
・小中一貫は子どもの成長において成果が大きい。小中一貫も推進していく
・子どもの姿を通して語り合いを積み重ねていくことで小中一貫を推進していく
▽課題
・負担感が大きくならないように継続できるシステムを作ることが大切
▼視点3
▽成果
・自己肯定感を高めるための「環境整備」という「見えるもの」からのアプローチが良い
▽課題
・教育活動を通し、子どもの個性を捉えることが必要。心の豊かさは評価が難しい
▼視点4
▽成果
・教職員の意識改革をもたらす校長の言葉が重要
・外部機関と連携した取組が有効。外部講師を招くことも学校の疲弊防止につながる
▼研究のまとめ
3年度の研究を通して、「豊かな心」は、継続されている取組の中で、ゆっくりと時間をかけて育まれ、そこには共通した校長の役割と指導性があることが分かった。
2年間の研究から、校長は「自分の学校のよさ・強みを見付ける」「目指す子どもの姿や育みたい心を発信し、共有する」「教職集団・地域、保護者の協働を生み出す」「経験を生かし、課題解決に向けて役割と指導性を発揮する」の4つに取り組むことが必要。
「多様性を認め合い、自他の命を大切にする子どもたちを育む学校経営に生かす」ことが、未来を切り拓く人間性豊かで創造性溢れる「自立した札幌人」を育むことにつながる。
(札幌市 2022-06-27付)
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