札幌市小学校長会 3年度研究成果 研究集録から 第11回 人材育成部(札幌市 2022-07-06付)
◆副主題:人材の育成と働き方改革を実現する学校経営の在り方
【研究内容】
▼研究副主題の解説
前年度スタートした人材育成部では、時代が求める「主体性」「共生」を重視し、激しく変化する社会をたくましくしなやかに生き抜くさっぽろっ子の育成を目指した研究主題を受け、半年をかけて副主題を設定し、部員全員で吟味してきた。
今、新たな学びを支える教員の育成と学び続ける教員像の確立が求められている。本市では平成29年に「札幌市が求める教員像・教員育成指標」が作成され、「基礎形成期」「向上・充実期」「深化・牽引期」の3ステージでの教員像を具体的に示し、組織的、計画的な人材育成に力を入れてきているが、全国的に教員志願者が減少する中、学校は少子化による規模の縮小やベテラン教員の大量退職を迎えており、人材育成と育て合う学校づくりの推進がさらに求められている。
併せて、子どもたちの育ちを確かなものとするためには、これまでの働き方を見直し、学校を魅力的で持続可能な環境にしていくことも必要不可欠である。平成31年1月の中央教育審議会答申で働き方改革の目的が示されたことに基づき、同年4月にはいわゆる働き方改革関連法が施行され、札幌市おいても令和2年度から勤務時間の上限規定が定められ、学校における時間外勤務の縮減に向けた一層の改革が求められてきた。既に各々が自校の課題を踏まえ、その解決に向け具体的な取組を進めてきているが、今般のコロナ禍では、ウィズコロナの教育課程の実施、児童の不安解消への対応、新しい生活様式による学校での予防対策などの対応も求められており、目的の達成は容易なものではない。
人材育成部としては「次世代を担うべき教職員の育成に対して、校長がいかに指導性を発揮していくか」「教職員一人ひとりが教職員としての資質向上を図りながら、やりがいを感じ、前向きに職務を遂行できるような働き方改革をどう進めるか」を重点とするという捉えのもと「人材の育成と働き方改革を実現する学校経営の在り方」を副主題として設定した。
▼研究の視点
人材育成と働き方改革の2つの柱として、校長はいかに指導性を発揮していくべきかを視点とする。
▽視点1 学校経営における人材育成の方策
次世代を担うべき教職員の育成に対して、校長はいかに指導性を発揮していくか。
▽視点2 働き方改革の推進に向けて
資質向上を図りながら、やりがいを感じ前向きに職務を遂行できるような働き方改革を校長としてどう進めるか。
【取組の具体】
▼研究体制
本年度も各校の実情を語り合いながら、その解決に向けての方策や校長が果たすべき役割について討議し、分かりやすく見えやすい研究を進めていく。
研究討議については、研究の柱に沿って設定したテーマについて、グループ討議(5グループ)を主体として行う。本年度は、市小研修会および次年度の研究大会も見据え推進する。
11月と12月には講師を招き研修を行い、有識者からの情報や指導を次年度の研究へつなげる。
必要に応じて、会同とグーグルミートを活用した研修を行い、感染症対策を講じた研修の推進に努める。
▼研究の実際
▽テーマに基づくグループおよび全体討議
・研究討議①(第2回・4回研修会)人材育成の方策における校長の指導性「もう一度考える、人材育成の方策と課題 学校は?全市は?」「人材育成の全市的課題は?どう解決できそうですか?」
各校の人材育成における課題と解決の方策から、次世代を担うべき教職員の育成に当たり、どのような取組をし、いかに校長としての指導性を発揮していくかを討議。「個へのアプローチ」「集団へのアプローチ」「マネジメントによる支援」という3方向からの育成を図る上で、校長が持つべき視点、具体的な取組と手立てを明らかにした。
・研究討議②(第3回研修会)働き方改革の推進における校長の指導性
「働き方改革~あなたの学校ではどんな進め方をしていますか?」
教職員が資質向上を図りながら前向きに職務を遂行できる働き方改革を実現するには、校長としてどのように改革を進めていくべきかを討議。働き方改革の目的の共有の在り方、組織と個の両面からアプローチする上での3つの視点とそれに基づく具体的な手立てを明らかにした。
▽講師を招いての研修
11月=東間義孝氏による講演(道教育大学教職大学院特任教授)
12月=フリーアナウンサーの青山千景氏による講演
▽研究の総括と次年度へ向けて全体協議
1月・2月の研修会において、今年度の研究の成果と課題を明らかにする。また、令和4年度研究大会も見据えつつ、次年度の研究推進構想について検討する。
(連載おわり)
(札幌市 2022-07-06付)
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