道小 第2回理事研修会 研修記録作成 趣旨理解を 紺野会長が国の動向説明(関係団体 2022-07-11付)
紺野会長が5点について説明
道小学校長会(紺野高裕会長)は5日、第2回理事研修会をオンライン開催した。開会に当たり紺野会長は、全国連合小学校長会(全連小)常任理事会の資料に基づき国の動向を説明。来年度の研修記録作成の開始に当たり、法の趣旨の理解と校長によるリーダーシップの重要性を示した。
会議では第65回道小教育研究旭川大会(9月9日)の準備状況を報告したほか、研究発表や分科会運営等について協議。道教委各課からの行政説明では、本年度から開始する幼保小架け橋プログラムやいじめ等の早期発見・早期対応に向けた児童生徒のための相談窓口「おなやみポスト」などを伝えた。
紺野会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
▼教育公務員特例法・教育職員免許法の改正
5月に教特法および教免法の改正案が可決され、免許更新は廃止、研修記録作成が義務づけられた。この2つの法案が同時に出てきたことが重要で、免許更新の廃止だけでは納得しない世論が背景にある。
教職員の質の担保について危ぶむ懸念が根深くあり、これらを踏まえて全国の学校で法の趣旨を理解し校長がリーダーシップを取って教員の研修の充実に努めていかなければならない。年度当初と終わりの面接等で先生の指導力向上のため校長が指導助言し、振り返らせ、キャリアアップにつなげていけるかが問われている。校長は法案の付帯決議の中身も含め、法律の内容を理解することも重要である。
▼こども家庭庁
こども家庭庁設置法案が可決され、内容がホームページ等で公開されている。この法案には政府だけではなく、与党、野党のそれぞれの意見表明があり、様々な意見を知る必要がある。
▼定年延長・役職定年
各道府県・政令市で条例改正の準備が進められている。東京都では6月に定年延長に関する条例が可決され、今後、人事委員会と具体的に詰めていく。
東京では役職定年制はあるものの、暫定再任用管理職という制度と特例任用という制度を2つ置く案が出ている。暫定再任用管理職とは、例えば61歳まで定年が伸びる人は61歳で定年、その後は再任用期間となる。再任用は65歳までなので、管理職に任用されるとその後は暫定再任用管理職となる。
言葉が違うだけで中身はこれまでと変わらないということで、65歳まで完全に定年が延長する13年には60歳以降は全部特例任用という名前に変わるとのこと。定年から65歳までは暫定再任用、定年が全部65歳になれば60歳以降は特例任用となる。
実際に行われることはこれまでと同じで、どちらも1年単位で任用となる。再任用の校長は今のところなくさない方向で都は動いている。多くの再任用校長がいる東京都(約1300人のうち300人程度)と北海道は事情が違うと思うが、北海道・札幌でどうなるかを注視していく。
▼全連小の要望活動
今回、役職定年となった管理職への処遇や新たな職の設置、今後の端末の更新等についての予算措置、感染症対策・保健室の設備改善と養護教諭の加配などに関する文言を追加した。7月11日に文部科学省、財務省、総務省に要望書を手渡しに行き、私は文科省を担当する。
要望書は前年度の全連小対策部会と調査研究部会などの議論をもとにしており、重要なエビデンスとなるのが7月から行う全連小各委員会の調査結果である。本年度も間もなく実施される。道小では研修部が中心に行うが各地区の協力をお願いする。
▼公立小・中学校等教員勤務実態調査
この調査は、平成31年度の中教審答申や令和元年度の給特法改正時の付帯決議等に則り実施するものである。小・中学校で分け、道府県と政令市の半数が対象、小学校か中学校のどちらかの調査が道にも当たることになる。かなり詳細な調査となっている。
調査は小学校では400校ずつ8月、10月、11月の3回の計1200校、小・中学校合わせて2400校で行われる。
(関係団体 2022-07-11付)
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