南十勝長期宿泊体験交流協議会　体験学習サポート　要望に沿い受入施設と仲介　学校から「積極的に利用したい」の声

（関係団体 2022-07-11付）

ホロカヤントー沼でワカサギ釣りを楽しむ生徒たち

　【帯広発】南十勝長期宿泊体験交流協議会（＝ＳＴＥＰ）は、大樹町の自然豊かな環境と住民の協力によって子どもたちの体験学習を支えている。コロナ禍で宿泊的行事の実施が困難となった今、感染症対策と学習の両立に困り感を抱く学校も少なくない。学校の要望に沿って企画を立案し、受入施設等との仲介に立つＳＴＥＰに「積極的に利用したい」との声が上がっている。

　広尾町立広尾中学校（伊澤理紀校長）の２年生（当時）は２月末、大樹町内のホロカヤントー沼でワカサギ釣りに挑戦した。生徒たちは協力して沼に張った氷に穴を開け、魚が寄ってくることを待ちわびながら交流を深めた。約５０匹ものワカサギを釣り上げると、生徒たちに笑顔があふれた。

　同校は前年度、２年生の宿泊学習を半日日程の野外学習に切り替えた。本来は宿泊学習を経て集団行動の規律などを身に付け、進級後の修学旅行に臨むはずだった。

　コロナ禍によって延期を重ね、やむを得ない判断に至った同校は、短期間で野外学習の計画を立てなければならなかった。長時間の移動や密状態を避けるため近隣での実施を考え、伊澤校長は前任校の活動で関わりがあったＳＴＥＰに相談した。

　ＳＴＥＰは学校と協議を重ね、希望日時や活動目標などに合う体験学習の受入先や指導者を迅速に選定。学校と受入先との調整を図りながら、集団行動の心得やコミュニケーション能力を育むプログラムを作成した。

　当日の活動でも、教員やスタッフら周囲の大人が生徒一人ひとりの様子や気分の状態を把握し、いつでも声をかけられるよう体制を整えた。

　伊澤校長は「学校のニーズに合うよう、多種多様な場所や体験、指導者をつなげてくれる」とＳＴＥＰの支援体制に感謝する。移動距離の短縮によって学習時間の確保が実現したことを実感し「今後も積極的に利用していきたい」と話した。

　ＳＴＥＰは、季節に合わせた自然体験に加え、航空宇宙公園での実験見学やペットボトルロケット作りなど、町の特色を生かした多様な体験学習のプランを用意。町内で農業や漁業等を営む地域住民が指導者となり、専門性の高い学びを提供している。

　学校等からの受託事業においては、管内小・中学校の宿泊的行事の受け入れや出前授業などを支援。教育目標や各教科との関連性などを入念に打ち合わせることで、学校が子どもに身に付けさせたい資質・能力に合わせたプログラムづくりに力を注ぐ。

　ＳＴＥＰ事務局の安保翔太さんは、コロナ禍で宿泊的行事の計画に困り感を抱く教員たちの声を聞き、受託事業による学校支援の重要性を痛感したという。「体験学習は参加者全員で楽しむことが大切。学校の思いをつなぎ、子どもたちが最大限の効果を得られるよう、共にプログラムを作り上げていきたい」と話していた。

　問い合わせは、ＳＴＥＰホームページ内にあるフォームから送信可能。電話番号は０１５５８（６）２１３３。

(関係団体 2022-07-11付)