札幌市教委　新規採用養護教諭研修　保健教育の実践例学ぶ　講義・演習で対応力向上

（札幌市 2022-07-15付）

先輩養護教諭からのアドバイスに耳を傾けた

　札幌市教委は８日、ＳＴＶ北２条ビルで新規採用養護教諭研修「校外における研修」第２日を開催した。市立小・中学校の養護教諭らが、健康診断と保健情報、保健教育の工夫などについて講義。保健教育を取り巻く今日的な課題や個々の事例に対応できる能力を養った。

　新規採用養護教諭を対象に、教育指導上の基礎的・実践的な内容および学校保健に関する専門的な内容について１年間の研修を実施するもの。年間を通して、校内研修１５日、共通研修を含む校外研修８日を受講する。

　共通研修２日目には、新規採用養護教諭４人が参加。講義や演習などに取り組んだ。

　はじめに、平岸高台小学校の前川希養護教諭と、真栄中学校の木村さやか養護教諭が「健康診断と保健情報の工夫と活用」について講義した。

　うち木村養護教諭は、中学校における自身の実践と工夫している点を紹介した。健康診断に当たっての事前準備として「各学級や教科担任の授業計画を確認し、健診日時の予定を組む」「会場に、流れや着替え方法などの表示を多く掲示する」などと説明。イラストを多く取り入れた掲示物とすることで「口頭での説明よりも生徒に伝わりやすく、特別な配慮が必要な子にとっても不安の解消につながる」と述べた。

　また、歯科検診や視力検査の結果についても「どの歯が虫歯なのかを図で伝える」「眼科受診前に、再検査を希望する場合は受け付けることを伝える」などの配慮事項を説明した。

　近年、「生徒が思いがけないところでけがをするケースがある」と指摘。学校内における危険個所を教職員に啓発するととともに、万一、生徒がけがをした場合は「けがの重傷度を判断するのは家庭。決して気軽に大丈夫と判断してはいけない」と述べ、慎重に対応するようアドバイスした。

　このほか、小学校から中学校への引き継ぎについて言及し「５・６年生時の状況だけではなく、３・４年生や低学年での様子も確認すると良い」などと説明した。

　このあと、市教委保健給食課の半澤郁子保健指導担当係長が「学校で注意してほしい子どもの病気」「保健教育の理解と進め方」、新琴似北小学校の中西美貴養護教諭と発寒中学校の宮島美由紀養護教諭が「保健教育の工夫と実践」について講義・演習した。

　次回は１１月１７日の開催を予定している。

(札幌市 2022-07-15付)