子ども虐待防止で職員育成ビジョン案　福祉コース　採用で方針案盛る　札幌市　キャリアラダー導入等

（札幌市 2022-07-19付）

　札幌市は、元年６月に市内で当時２歳の女児が衰弱死した事件を踏まえた、子どもの虐待防止に関わる職員育成ビジョン案を公表した。福祉業務に従事する職種「一般事務　福祉コース」で採用となった職員の育成方針案を新たに盛り込んだ。職員の専門性の底上げを体系的に図る。

　１２日に行われた、専門家らでつくる市子ども・子育て会議児童福祉部会で示したもの。

　職員の育成方針案では、育成する能力について、関係部署や機関と協働する総合力や、地域住民の多様なニーズをつかみ専門知識や技術を実践できる支援力などを掲げた。

　育成方法は、職員の目標設定や到達度を図る際に効果的なキャリアアップの道筋「キャリアラダー」を導入。初任期から中堅後期までの４段階で、職務内容や取得すべきスキルを明確にする。

　人事異動についても、幅広い知識や視野を身に付ける観点から、３５歳ころまでを目安に複数の職務の分野・部門を経験する「ジョブローテーション」を採用する。また、複数のキャリアを選べるコースを設定する複線型人事制度の導入を視野に、特定の福祉分野に精通したスペシャリストや福祉経験を広く施策に活用するゼネラリストを育成。適切に配置していく。

　このほか、部局横断研修や職員個人の年間育成計画書などの取組を盛り込んだ。

　育成ビジョン案は今後、専門家を加えた常設委員会を設置して具体的に検討を進め、年度内の策定を目指す。市児童相談所の担当者は「信頼のある集団となるように、専門性の高い職員を育成していく」としている。

(札幌市 2022-07-19付)