文科省・井川調査官が行政説明　教員の気付く力高めて　自殺予防対策徹底へ

（国 2022-08-10付）

　文部科学省は２日、児童生徒の自殺予防に関する普及啓発協議会（北海道ブロック）を開催した。初等中等教育局児童生徒課生徒指導室の井川恭輔生徒指導調査官による行政説明や講義を実施。約１６０人が参加し、自殺予防教育や危機に直面した際の学校の対応について理解を深めた。

　児童生徒の自殺予防等に関する対応を周知して基礎的・実践的な知識を深め、学校・地域における児童生徒の自殺予防等に資する取組の推進を図ることがねらい。

　開会あいさつに続き、文科省の井川生徒指導調査官による行政説明を実施した。児童生徒の援助希求能力や教員の気づきの力を高める重要性を示し、文科省の『教師が知っておきたい子どもの自殺予防』など各種資料の活用を呼びかけた。

　例年９月１日に自殺者数が突出して増加する傾向にあることから、学校における早期発見や家庭での見守りの促進などの協力を要請。メッセージ機能を利用した相談体制をはじめ、各自治体における１人１台端末を活用した事例を紹介した。

　その後、九州産業大学学術研究推進機構科研特任研究員の窪田由紀氏が講義し、学校における自殺予防教育の体制づくり、危機対応や事後対応の原則を説明。緊急の事態を想定した演習も実施し、参加者は背景調査や心のケアなどのポイントを学んだ。

(国 2022-08-10付)