文科省 社会教育調査中間報告 図書館数等過去最多に 指定管理者の導入は約3割(国 2022-08-01付)
文部科学省は、3年度社会教育調査の中間報告を公表した。施設数は公民館や社会体育施設は減少傾向だが、図書館、博物館、生涯学習センターは増加しており、過去最多となった。また、社会教育施設のうち指定管理者の導入は約3割で、全ての社会教育施設で増加している。
社会教育行政に必要な基本的事項を明らかにするため、概ね3年ごとに実施しているもの。これらを把握できる唯一の調査として、その結果は社会教育関係者はもとより広く一般に利用されている。3年度調査の一部を取りまとめたため、中間報告として公表した。
調査対象は都道府県・市町村、公民館、図書館、博物館、青少年教育施設、女性教育施設、社会体育施設、民間体育施設、劇場・音楽堂等、生涯学習センター。
施設数や職員数などの現状の把握は3年10月1日現在、入場者数や図書貸出数などの活動状況の把握は2年度1年間。
施設数の推移をみると、公民館は平成11年度の1万9063施設から1万3798施設へと大きく減少しており、前回(30年度)の1万4281施設からでも483施設減少している。
青少年教育施設も平成11年度の1263施設から30年度は891施設に、今回は840施設に減少を続けている。社会体育施設は30年度の4万6981施設から1301施設減の4万5680施設となった。
一方、図書館は前回より40施設増の3400施設、博物館は20施設増の1308施設、生涯学習センターは18施設増の496施設で、いずれも過去最多となっている。
施設の運営状況をみると、公立の社会教育施設5万1515施設のうち、指定管理者導入施設は1万6388施設で、31・8%となった。前回は30・5%でほぼ横ばい。
指導系職員の推移をみると、社会教育主事は平成14年度の5383人から毎回減少し、30年度は1681人、今回は1451人となった。
図書館司書は、平成14年度の1万977人から30年度は2万130人、今回は2万1523人に。博物館学芸員は平成14年度の3393人から30年度5025人、今回は5357人に。社会体育施設の指導系職員は平成14年度の8963人から30年度の1万7591人、今回は1万8799人に。生涯学習センターは平成20年度の881人から30年度880人、今回907人となり、いずれも過去最多となった。
コロナ禍の初年度に当たる2年度の社会教育施設の利用者数は、前回と比較し全ての施設で減少。劇場・音楽堂等が69・3%減と最も落ち込み、青少年教育施設が59・3%減、生涯学習センターが58・9%減など。図書館は最も減少割合が少なく21・7%だった。
学級・講座等の実施数も全ての施設が前回より減少。最も落ち込んだのが博物館類似施設で55・8%の減。次いで博物館が48・4%減、青少年教育施設が46・6%減。図書館は42・7%減、生涯学習センターは21・8%減だった。
2年度の図書館の貸出冊数は5億3085万4525冊で、国民一人当たりに換算すると4・2冊に。前回の平成29年度は一人当たり5・2冊だったため、1冊分減少した。
これらのデータは都道府県をはじめ関係機関に提供するとともに、国および地方における諸施策を検討・立案するための基礎資料として活用を図る。
(国 2022-08-01付)
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