６年度導入のデジタル教科書　英語先行　次年度 算数・数学　中教審ＷＧが論点整理案了承

（国 2022-08-29付）

　中教審のデジタル教科書・教材・ソフトウエアの在り方に関する論点整理案が２５日のワーキンググループ会議で了承された。６年度の導入を目指すデジタル教科書を小学校５年生～中学校３年生の英語で先行して導入し、７年度から算数・数学と教科・学年を徐々に拡大する方針を示した。

　論点整理案では、デジタル教材や学習支援ツールと効果的に組み合わせることができるデジタル教科書の利点を踏まえ、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る方針を明記。

　一方、円滑な活用を図るには通信環境の改善や指導面などの課題があるとし、教科・学年を絞り段階的に導入するとした。具体的には６年度は小学校５年生～中学校３年生を対象に英語で導入し、次年度から現場の需要が高い算数・数学で導入する。

　個々の児童生徒の特性や学習内容等を踏まえ、当面の間は紙とデジタル両方の教科書を併用する方針。端末や通信への負荷を避けるため、デジタル教科書は可能な限りシンプルで軽いものとする。

　今後は「デジタル一斉授業」にとどまらず、児童生徒に応じて紙とデジタル、教科書、教材、学習支援ソフト等を適切に組み合わせる教育環境の整備とともに、児童生徒が主体的に学びを選択するモデルづくりが必要と指摘している。

　このため文部科学省は、特別部会で「デジタル教科書を活用した学習指導や生徒指導の在り方」「学校・教師のモデルづくりなど行政による支援」「コンテンツの充実を含む学校内外の環境整備」「端末の家庭への持ち帰りを含む学校内外の活用の在り方」などを議論する予定。

(国 2022-08-29付)