若年層引上げを初勧告　札幌市人事委が秋元市長、市議会に　特別給平均０・１０ヵ月引上げも

（札幌市 2022-09-26付）

　札幌市人事委員会（常本照樹里委員長）は２２日、「職員の給与に関する報告及び勧告」を秋元克広市長と市議会に行った。初めて若年層の職員を対象に月例給を引き上げるよう勧告したほか、期末・勤勉手当（特別給）を平均０・１０ヵ月分引き上げるよう求めた。市内の民間企業との格差や人事院勧告を踏まえたもので、月例給は４年ぶり、特別給は３年ぶりの引き上げとなる。これにより、平均年間給与は３年ぶりに増額となる。

　人事委は勧告に当たり、無作為抽出した従業員５０人以上の市内の民間企業１６４事業所の給与実態を調査した。

　人事委によると、現在の一般行政職の平均月例給は３４万９２２２円で、民間企業の月例給を０・２２％（７５２円）下回った。民間企業の初任給引き上げの動きや国家公務員一般職に関する勧告を踏まえて、２０～３０代半ばの職員を対象に月例給を引き上げるよう求めた。若年層に対象を絞って月例給の引き上げを勧告するのは今回が初めて。給料表の改定は４年ぶりで、今後具体的な改定作業に入り、市長に提出する予定。

　一方で、現在の一般行政職の特別給支給月数は４・３０ヵ月分。民間企業の平均より０・１０ヵ月分少なかったとして、同程度の水準まで引き上げるよう求めた。

　月例給と特別給を勧告どおりにした場合、一般行政職（平均年齢３９・３歳）の平均年間給与は約４・６万円増の約５５９万円となり、３年ぶりの増額となる。教員や警察官などを含む本年度の全市職員の人件費は約１２・９億円増となる見通し。

　市は人事委の勧告を踏まえ、１１月中に特別給額などを決める。勧告書を受け取った秋元市長は「市内の社会経済状況を考慮し、対応を検討したい」と述べた。

(札幌市 2022-09-26付)