札幌市　インフルエンザ　３シーズンぶり　注意呼びかけ　ことし初めて検出

（札幌市 2022-09-22付）

　札幌市保健福祉局は、インフルエンザに感染した患者から、Ａ香港型ウイルスをことし初めて検出したと発表した。ウイルスの検出は３シーズンぶり。市は今後、新型コロナウイルスに加えてインフルエンザも流行する恐れがあるとして、注意を呼びかけている。

　患者は市内在住の１０歳の女児で、４日に発病。５日に医療機関を受診し、のどの粘膜などを調べたところ、インフルエンザと診断された。検体を市衛生研究所で調査した結果、Ａ香港型ウイルスが検出された。

　市保健福祉局によると、直近の５～１１日にかけて５６ヵ所の定点医療機関で患者５人の報告があった。新型コロナの感染拡大が始まった２年度以降の報告数は１週間で１、２人と少なく、ウイルスの検出もなかった。マスク着用などが定着し、国内外で人の移動が制限されたことなどが予防につながったとされる。市は「今後、新型コロナに加えて、インフルエンザの流行に注意が必要」としている。

　日本感染症学会によると、ここ数年国内で流行しなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下しているという。今後、海外からの入国が緩和され人的交流が増加すれば、特に子どもを中心に大きな流行になる恐れがあるとしている。また、通常は感染のピークを迎える冬季を前に、季節外れの流行が起こる可能性もあるという。

　市は、感染拡大を防ぐために、手洗い・うがいの徹底や人ごみを避けるなどの対策を呼びかけている。また、インフルエンザワクチン接種についても「重症化予防にも有効」としている。

(札幌市 2022-09-22付)