まちづくり戦略ビジョン　小中生意見　環境保全に高い関心　熱中症対策で空調整備も　札幌市

（札幌市 2022-09-22付）

　札幌市まちづくり政策局は、現在策定作業を進めている第２次まちづくり戦略ビジョン（ビジョン編）に係るキッズコメントの意見を取りまとめた。小中学生９６６人から１３０１件の意見が集まった。基本目標８項目のうち、環境に関する意見が５０９件と、全体の約４割を占めた。主な内容をみると、ごみのポイ捨て禁止の周知やリサイクル、食品ロスの削減に関する仕組みづくり、自然エネルギーへの切り替えや雪氷熱の有効活用を求める意見が上がった。このほか、市内におけるバリアフリー化推進や、教室内のエアコン設置を求める声があった。

　まちづくり戦略ビジョンは、市におけるまちづくりの計画体系として最上位に位置付けられる総合計画。目指すべきまちの姿を描いた「ビジョン編」と、主に行政が優先的・集中的に実施することを記載した「戦略編」で構成している。現在、４～１３年度を計画期間とする次期戦略ビジョンの策定作業を進めている。

　今回、５月２３日から７月１日までの間、ビジョン編の案に対するパブリックコメントおよび小中学生を対象としたキッズコメントを募集。キッズコメントには、小中学生９６６人から１３０１件の意見が集まった。

　内訳は、小学生が４０１人５５３件、中学生が５５３人６８９件、不明１２人２０件。

　８項目からなる基本目標への意見は、「環境」に対する意見が最も多く５０９件で、全体の３９・１％を占めた。次いで「生活・暮らし」が１５２件で１１・７％、「地域」が１２０件で９・２％、「子ども・若者」が１１５件で８・８％などと続いた。

　主な意見をみると、子ども・若者では、「いじめや差別のない平和なまちにしたい」「学校にクーラーなどを設置して、熱中症対策を強化してほしい」「小中学生が職業体験できる場を増やしてほしい」などが見られた。このほか、グラウンド遊具増設やプール整備などの学校設備充実を求める意見や、校則の見直しなどに関する内容が挙がった。

　生活・暮らしに関する内容では、障がいのある人や高齢者のためのバリアフリー化やユニバーサルデザインの導入を求める意見が多数見られた。また、近年の大雪などを受け、除排雪のさらなる充実や、冬期間の交通機能維持を訴える意見があった。

　地域に関する内容では、多世代交流施設の整備や地域コミュニティーなど市民交流機会の充実、性的マイノリティーへの理解促進などが挙がった。安全・安心では、新型コロナウイルス感染症対策や防災教育の充実、ハード・ソフト両面からの防犯体制整備などを求める意見が見られた。

　スポーツ・文化では、あらゆる人が参加できるスポーツイベントの開催、スポーツ施設の整備などが挙がった。

　環境については、自然エネルギーへの切り替えや雪氷熱を利用するなどの再生可能エネルギーの導入拡大、リサイクルの推進を求める声が多かった。また、ごみのポイ捨て禁止や食品ロスＣＯ２排出削減、公園の増設など、環境保全に対する関心の高さがうかがえた。

　都市空間については、コンパクトシティ化や交通渋滞緩和に資するインフラ整備の充実などを求める意見があった。

(札幌市 2022-09-22付)