札幌市　子ども未来プラン３年度　生み育てやすい環境　減少し４１・４％　コロナ禍で休園・休校影響

（札幌市 2022-09-21付）

計画全体の成果指標の達成状況など（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市子ども未来局は、第４次さっぽろ子ども未来プランの３年度実施状況報告書をまとめた。計画全体の成果指標として設定した「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」は４１・４％で、前年度と比べて６・２ポイント減少した。市は、新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、休園や休校によって急な対応を余儀なくされたことなどが影響したと分析している。

　２０日に開いた４年度第１回子ども・子育て会議で示した。

　さっぽろ子ども未来プランは、女性の就業率の増加に伴う保育需要の拡大や、子育てについての悩みの多様化、児童虐待といった子どもの権利侵害などの課題に対応し、ニーズに即した子育て施策を総合的に推進するために策定したもの。①子どもの権利を大切にする環境の充実②安心して子どもを生み育てられる環境の充実―など４つの基本目標を設定している。計画期間は２～６年の５ヵ年。

　市の子どもや子育て家庭を取り巻く現状を表す指標として設定した、２つの計画全体の成果指標のうち「子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合」は、４１・４％だった。計画では６年度までの目標値を８０％と設定しているが、前年度の４７・６％から６・２ポイント減少。平成３０年度の当初値からも９・５ポイント減少した。

　市は「新型コロナ感染拡大の影響で行動制限が続き、休園・休校などへの急な対応など、一般的に伸び伸びとした子育てはイメージしづらかったことが影響した」と分析している。

　このほかにも、新型コロナの影響を受けたものが目立ち、基本目標②における成果指標の達成状況をみると、「仕事と生活の調和がとれていると思う人の割合」（目標値７０％）は、３ポイント減の３８・６％だった。「子どもの預け先が見つけられず、仕事を休むなどの対応を余儀なくされたことが一因と考えられる」としている。

　また、計画全体の成果指標の「自分のことが好きだと思う子どもの割合」（目標値８０％）については、０・３ポイント減の６７・３％。当初値６７・４％から横ばいの状況が続いている。

　市は「活動機会や交流機会が減少するなど、自己肯定感が高まりにくい状況が影響した」とみて、目標値の達成に向けて「直接体験する機会の充実に取り組み、子どもの意欲向上に努める」としている。

(札幌市 2022-09-21付)