網走南ケ丘高　創立１００周年講演　自分の可能性を求めて　信州大・結城教授が講演

（学校 2022-10-03付）

結城教授は人生の瞬発力を高めることの大切さを説いた

　【網走発】網走南ケ丘高校（渡辺淳一校長）の「創立１００周年記念講演」が９月２６日、網走市民会館で行われた。同校３４期生で信州大学の結城匡啓教授を講師に招いた。結城教授は、スピードスケート選手と博士号の両立という２０代の経験や、コーチの立場としてスピードスケート選手を指導したことを通じて得た教訓などを生徒に伝えた。

　同校は大正１１年、道庁立網走中学校として開校。昭和２５年に現校名となり、ことしで創立１００周年を迎えた。

　講演には全校生徒が参加し、講師には同校卒業生で信州大の結城教授を招いた。

　講演に先立ち、渡辺校長は、スピードスケート競技を中心としたスポーツ科学を研究している結城教授の経歴を紹介した上で、生徒たちに「これから様々な課題に直面していく中で、話の中から課題をクリアするヒントを学んでほしい」と呼びかけた。

　結城教授は「２人の金メダリストとの出会いに恵まれて」と題して講演。

　はじめに、スピードスケート選手として金メダルと博士号の両立を目指していた学生時代の経験から、短時間で複数のことをこなすためには「人生の瞬発力を磨くことが大切」として「どうすれば限られた時間の中で複数のことをやり遂げることができるのかを考えてほしい」と伝えた。

　スピードスケート金メダリストの清水宏保選手や小平奈緒選手を指導して得た教訓についても紹介。コーチングの際に志していたこととして「相手に指示するのではなく、いろいろなことを聞くことで、相手に話をさせることを意識していた」と自身の経験を伝え「相手に話すと、自分の中で考えを整理することになる。聞き役に回り相手から答えを引き出してあげることが大切」と話した。

　ほかにも「自分がコントロールできないことに頭を悩まさないこと」や「自分を高めるために仲間だけではなく、ライバルも大切にすること」「他人を蹴落として上に上がろうとするのではなく、自分を高めて勝つこと」などを生徒に伝え「みんなの中に潜在している可能性を見いだすために頑張ってほしい」と講演を締めくくった。

　講演後、生徒代表は「聞かせてもらったことを生かして、自分の中にある可能性を追い求めていきたい」と感謝の気持ちを伝えた。

(学校 2022-10-03付)