札幌旭丘高　特別講演会　ＡＩの歴史など紹介　札幌市立大・中島学長

（札幌市 2022-10-04付）

１年生３２０人は体育館で聴講

　市立札幌旭丘高校（相沢克明校長）は９月２９日、同校で特別講演会を開いた。全校生徒９４０人が聴講。札幌市立大学の中島秀之学長が、ＡＩ技術の歴史、効果や問題点などを説明した。

　市立大は本年度、デザイン・看護分野とＡＩ・ＩＴ分野を掛け合わせた専門性・実践能力を有する人材育成、ＡＩ技術を活用した産業振興および地域課題の解決に資する研究を推進するため「札幌市立大学ＡＩＴセンター」を設置。

　旭丘高でも、本年度から数理データサイエンス科を新設したことから、市の特色ある教育を実施していこうと市立高校と市立大で教育連携を推進している。

　そのキックオフイベントとして今回、国内ＡＩ研究の第一人者である中島学長を講師に迎えた講演会を行った。１年生は体育館に集合、２・３年生はオンラインで各教室から聴講した。

　中島学長は「ＡＩ＝深層学習＋記号推論」と題して講演。

　機械学習の一種である深層学習について説明し、深層学習によって経験や勘に基づき言語化が難しい「暗黙知」が扱えるようになったこと、ビッグデータからの自動学習が可能になったことなどを示した。

　一方「機械学習を信用し過ぎてはいけない」と強調。機械学習の問題点として「意図的にだませる」「学習データが偏っていると学習結果も偏ってしまう」ことなどを挙げた。

　解決策として「倫理や価値は言葉で伝える必要がある」などと述べた。

　講演映像は、後日ほかの市立高にも提供する予定。

(札幌市 2022-10-04付)