札幌市　旧常盤小跡活用で市場調査　文化芸術拠点など提案　２事業者応募　通信制学校も

（札幌市 2022-10-07付）

　札幌市は、３年３月に閉校した旧常盤小学校の跡活用に関するサウンディング型市場調査の結果を公表した。２事業者からの応募があり、既存建物を改修した上で、通信制学校として活用する案と、文化芸術活動およびスポーツ振興施設として活用する案が挙がった。今後、調査結果を踏まえ、売却に向けた公募を再度実施する予定だ。

　市南区芸術の森地区では、３年４月に、常盤小と石山東小学校を統合し、芸術の森小学校を開校した。市は同年９月、閉校した旧常盤小の跡活用に関して、条件付き売却を公募したが、応募がなかった。

　これを受けてことし６月から７月にかけて、検討段階で民間事業者に広く意見や提案などを求め、対話を通して参入意欲や活用方法、実現可能性および課題、条件等を把握するサウンディング型市場調査を実施。あらためて地域のニーズに対応する活用可能性を把握することとした。

　調査には、２事業者が応募。いずれの案も既存建物を改修した上で活用する。提案内容をみると、１者は、校舎を通信制の学校や地域住民向けのカルチャースクールとして活用するとともに、体育館やグラウンドを部活動での練習やスポーツ団体等への貸し出しおよび練習場所としての活用を見込んでいる。

　もう１者は、芸術文化活動およびスポーツ振興に資する施設とするもの。校舎はアトリエやワークスペース等の会場として活用し、体育館やグラウンドはスポーツスクールやサークルの活動拠点、アート展などの会場として活用する。

　地域貢献活動の実現性に関しては、緊急時の避難場所、施設の貸し出しなどを想定。一方、懸案事項として、売却価格や老朽化、校舎等の改修費、地域貢献活動等に関する地域住民との関係構築などが挙がった。

　市は今後、調査結果を踏まえ、再度公募する考え。

(札幌市 2022-10-07付)