札幌大通高　札幌未来予想図発表会　まちづくり課題解決へ　フリースクール無償化など

（札幌市 2022-10-12付）

まちづくり施策を発表する生徒たち

　市立札幌大通高校（池田吉利校長）は５日、高校生の視点から市が現在抱えているまちづくりの課題の解決策を示す「札幌未来予想図」の発表会を市役所本庁舎で行った。１～３年次の生徒７人が、フリースクールの無償化や障がい者支援などのまちづくり施策のアイデアを市職員らに提案した。

　総合的な探究の時間「まちづくり探究」の一環で行った。人口減少などの転換期を迎える市の実態を知り、自分事として考え、行動するきっかけをつくることが目的。市では、第２次市まちづくり戦略ビジョンの策定を進めていることから、若い世代の意見を取り入れようと、連携して発表会を行った。

　この日は、生徒７人が、市まちづくり政策局の中本和弥企画課長ら市職員に向けて発表した。

　１年次の木村奏音さんと倉俊德さんは、不登校児童生徒の増加を受けて「フリースクール無償化による教育選択肢の多様化」を提案した。

　２人は、フリースクールに通う費用について、公立学校に通う場合と比べて家庭への経済負担が大きいことを指摘。大阪市が実施する学習塾や家庭教師など学校外の教育にかかる費用を助成する事業「教育バウチャー（利用券）」を例にあげ、応用した仕組みの導入を訴えた。また、市と民間団体が協力してフリースクールの周知を行うことも重要とした。

　木村さんは「不登校児童生徒を減らす取組だけではなく、今後は学校に代わる新たな居場所づくりが欠かせない」と話した。

　このほか、冬季期間に点字ブロックが雪に覆われないように融雪装置を設置することや、地域のつながりの希薄化を解消するための文通事業などの発案があった。

　中本課長は「どれも次期計画の重要概念に当てはまる重要な提案だった。しっかり心に留めて、策定作業を進めていきたい」と話した。

(札幌市 2022-10-12付)