札幌市公立事務職員協　全体研修会　学校運営　積極的参画を　講話や意見交換で研鑚

（札幌市 2022-10-11付）

１２０人が参加した

　札幌市公立小中学校事務職員協議会（酒井誠会長）は３日、白石区民センターで全体研修会を開催した。参集形式での開催は３年ぶり。約１２０人が参加した。教育研究家でライフ＆ワーク代表理事の妹尾昌俊氏による講話や、学校事務職員６人を交えてのパネルディスカッションを通して、学校運営への参画意識を一層高めた。

　酒井会長のあいさつに続き、妹尾氏が「学校事務職員は、学校経営になぜ、どのように参画するか」と題して講話した。

　妹尾氏は、学校経営に参画する上で「“なぜ”の視点が大切。なぜをしっかりと持つことで、やる気が高まり、創意工夫が生まれる」と強調した。

　看護師として有名なナイチンゲールが今日まで高く評価されている理由として「統計学者としてデータを示すことで、医療・福祉制度の充実に寄与した」ことを説明。学校職員における過労死等の発症年齢は４０代が最も多いこと、月別では６月と１０月が最も多いことを示し「客観的な数字や事例を収集することで問題点や困り感を可視化し、共有しなくてはならない」と訴えた。

　学校運営の改善に資する例として、学校徴収金の集金方法に決済アプリを導入した小学校の例を挙げ、学校事務職員の今日的役割として①教育格差の是正に少しでも貢献する②教員とは違った視点や法務・総務の知識を活用した学校改善③限られたリソースの有効活用④多忙な管理職の事務の一部を担う―の４点を指摘。「“これまでの仕事をこれまでどおりにやればいい”という発想に問題がある」とし、行動すること、チャレンジすることの大切さを呼びかけた。

　このあと、学校事務職員６人が登壇し、妹尾氏を交えてパネルディスカッション。

　事務職員らは、学校事務の共同実施、前任者・後任者との引き継ぎ、児童生徒の欠席連絡のオンライン化、管理職との連携、教材保有状況の共有など、自校で取り組んできた学校運営への参画状況、働き方改革などを紹介。より良い学校経営への参画を目指して、意見を交わした。

(札幌市 2022-10-11付)