3定札幌市議会決算特別委(18日)
(札幌市 2022-10-20付)

◆半年間で31%28人 子育て参加後押し 市立校の男性教員育児休業取得状況

 札幌市教委の三戸部文彦教職員担当部長は18日の市議会決算特別委員会で、市立学校男性教職員の育児休業取得状況を報告した。ことし4~9月の半年間で31・1%に上る28人が取得。2年度の15人(7・8%)から大きく伸びている。一方、市長部局などと比較すると低い水準にあるとして、事例紹介や管理職研修を通して「子育て参加を後押しする職場環境づくりに努めていく」と述べた。村山拓司委員(自由民主党)の質問に対する答弁。

 市立学校における男性教職員の状況をみると、ことし4~9月の半年間は31・1%の28人。2年度は15人(7・8%)、3年度は27人(14・6%)で年々増加している。

 一方、2年度に総務省が実施した地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果によると、政令指定都市における男性職員の育児休業取得率は首長部局等で37・1%に上るのに対し、教育委員会では11・6%と低い水準となっている。

 三戸部部長はその要因として、担任を受け持っていること、指導や評価の継続性が途切れてしまうことなど、学校ならではの課題が影響していると分析。

 育児休業取得促進に向けた取組として、各学校では市子育て女性職員応援プランや子育て支援ガイドブックなどを活用し、子どもが生まれる予定の男性教職員に対する面談を行っていることなどを紹介した。

 市教委として「これに加えて、実際に育児休業を取得した事例紹介や管理職研修を通して、意義や必要性について教職員の理解を深め、子育て参加を後押しする職場環境づくりに努めていく」とした。

◆2・3年生拡大 約100学級増試算 中学校少人数学級

 札幌市教委は、中学校における少人数学級を2・3年生に拡大した場合、市全体で100程度の学級数増が見込まれるとの試算を明らかにした。学級数増に伴う教室数の不足には、現在使用していない教室の活用などで対応する考えを示した。ふじわら広昭委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

 文部科学省の学級編制の運用の弾力化に伴い、市では平成16年度から小学1年生、17年度から小学2年生、18年度から中学1年生で1学級35人以下の少人数学級を編制している。

 令和3年3月には、学級編制標準が改められ、7年度までに小学校全学年で35人に引き下げる計画となっている。

 将来的に中学2・3年生にも拡大した場合について、三戸部教職員担当部長は「全体で100学級程度増え、それに伴い100人程度の教員数増が見込まれる」との見通しを示した。

 少人数学級の拡大に伴う学校施設への影響について、池田秀利学校施設担当部長は「教室の不足が見込まれるが、現在使用していない教室の活用などによって対応可能と考えている」と述べた。

 三戸部部長は、教育環境の充実に向けて小学校全学年への拡大を着実に進めていく考えを示すとともに「中学校についても国において引き続き検討するとされており、実施に必要な関係法令等の改正を要望していく」と今後の方針を述べた。

◆小・中学校で19校 適正規模以上の学校

 札幌市教委の池田学校施設担当部長は、市が定める適正規模を上回る小・中学校が19校であると明らかにした。太田秀子委員(日本共産党)に対する答弁。

 市教委は平成19年度、市立小・中学校の学校規模の適正化に関する基本方針を策定。児童生徒にとってより良い教育環境を維持するため、適正な学校規模を小学校で18~24学級、中学校で12~18学級としている。

 令和4年度現在で適正規模を上回っている学校数は、小学校8校、中学校11校の計19校。計画の見直しに着手した平成29年時点と比べ小学校で1校減、中学校で1校増となった。

 うち特別教室を普通教室に転用したのは札苗北中学校の1校のみ。

 大規模校の規模適正化について、池田部長は「将来的な児童生徒数および学級数の推移を見極めつつ、教育上の支障がないよう適切に配慮していく」と述べた。

◆SDGs教育旅行 定期的内容刷新へ 教育旅行誘致で札幌市

 札幌市経済観光局の石井正治観光・MICE推進部長は、札幌への教育旅行プラン「SDGs教育旅行@札幌」の定着に向けて、プログラムの質向上とともに、活用した学校関係者からの感想や要望などを踏まえ、定期的に内容の刷新を行う考えを示した。たけのうち有美委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

 市は、教育旅行の誘致に関わって、市内においてSDGsを学習することができる体験プログラム「SDGs教育旅行@札幌」を作成。学校現場における新たなニーズに対応することで、教育旅行を需要の早期回復を目指している。

 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、教育旅行の行き先変更を余儀なくされた学校が多く、再び札幌を教育旅行の訪問先として児童生徒を誘致するため、認知拡大を図るとともに、多様なニーズに対応したプログラムの質向上が求められていた。

(札幌市 2022-10-20付)

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