札幌市小学校長会 10月研究大会 力と知恵合わせ最適解へ 3専門部が2年間の成果発表
(札幌市 2022-10-20付)

 札幌市小学校長会(出葉充会長)は17日、オンラインで10月研究大会を開いた。学びの支援部など3専門部が2年間の研究成果を発表。各部の実践内容を全体で共有し、校長の役割と指導性の究明に向けた研究の深化を図った。

 同会は、共同研究主題「ともに未来を創造するたくましくしなやかな“さっぽろっ子”を育む豊かで確かな小学校教育の実現」のもと、学ぶ力育成部、豊かな心育成部、健やかな体育成部、学びの支援部、教育環境部、人材育成部の専門部6部で、校長の役割と指導性の究明に向けて研究を進めている。

 開会に当たり、橋本隆共同研究推進委員長と出葉会長があいさつ。

 橋本委員長は、3専門部ずつで研究サイクルを分けた推進体制について「研究大会や研修会で相互に発信側と受信側に分かれ、互いに影響し合いながら研究を深めていくことにねらいがある。その結果、各専門部の研究の深まりを生み出し、多様な成果が表れていると実感している」と述べた。研究大会を通して「全道の研究が進む先を照らす成果を上げることと、私たち校長一人ひとりの問題解決力の高まりへつながれば」と期待した。

 出葉会長は、コロナ禍をきっかけとした様々な状況の変化に触れながら「変化が速く複雑で正解が用意されていないこれからの問題に対応する力を子どもたちに育てる必要がある」と強調。そのために「まず私たちが、正解はなくとも最適解を探り続けていきたい」と述べ、「くじけずに共に考え続け、力と知恵を合わせていきたい」と呼びかけた。

 来賓としてあいさつした市教委の檜田英樹教育長は、本年度から小中一貫した教育がスタートしたことなどを踏まえ、どのような子どもを育んでいくのか地域や保護者と共有する重要性を強調。「学校、保護者、地域が子どもを挟んで向き合うのではなく、同じ方向から子どもを後押しする関係、それがこれから求められる地域と共にある学校づくりになると思う」と述べた。

 研究発表に移り、学びの支援部が「一人一人の教育的ニーズに応える学校経営の在り方」、教育環境部が「未来を創る“さっぽろっ子の育成”に向けた教育環境を充実させる学校経営の在り方」、人材育成部が「人材の育成と働き方改革を実現する学校経営の在り方」について提言した。

 うち学びの支援部は清田小学校の稲上敏男校長、新琴似南小学校の冨波修校長、伏見小学校の野切卓校長、本郷小学校の岡田一伸校長が発表。①通常の学級の中で配慮を要する児童への指導の充実②特別支援学級・通級指導教室での指導の充実③不登校児童への対応の充実―の3部門に関する取組について説明した。

 ①では、校務分掌に学びの支援部を位置付けるといった戦略的な組織づくり、児童情報の管理共有システム構築、チェックリスト等を活用した児童の困り感の見える化などを紹介した。

 ②では、チェックリストで自校の教育課程の課題を把握するとともに、通知表を見直し個別の指導計画や指導要録との一貫性を図る取組を低減した。

 ③では、不登校の段階と要因ごとに対応のポイントを整理したマトリックス表の活用、実効性の高い取組事例の共有について説明した。

(札幌市 2022-10-20付)

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