札幌市子どもアシストセンター上半期　相談微増の１４０１件　家庭生活関連が最多７６０件に

（札幌市 2022-10-21付）

　札幌市子どもの権利救済機関（子どもアシストセンター）は、本年度上半期（４～９月）の相談件数をまとめた。件数は延べ１４０１件で前年同期比０・３ポイント増。内容は家庭生活関係が７６０件で最も多かった。全体の件数のうち、子ども本人からは９１９件、大人からは４８２件だった。センターは今後、保護者向けの広報誌を発行することで、一層保護者への周知を図っていく考え。

　センターは、友人・親子関係など子どもに関わる様々な悩みに電話やメール、来所による相談に対応することで、いじめなどの子どもの権利の侵害から救済を図る市の機関。子どもに関する内容であれば、大人からの相談も受けているほか、必要に応じて学校など関係機関との間に入った調整も行っている。

　平成３０年度と令和元年度は、夏季・冬季の期間限定で無料ＳＮＳアプリ・ラインによる相談を、１８歳未満の子どもを対象に試行。有用性が確認されたことから、２年度は通年で実施した。

　３年度は、３月下旬にラインの個人情報が中国の関連会社で閲覧可能となっていた問題が生じたことから、３月２６日から７月７日までライン相談を休止した。

　本年度上半期の相談件数は、全ての相談手段を合わせて延べ１４０１件で前年同期比０・３ポイント増。うちラインによる相談は５４１件だった。

　相談内容の内訳では、家庭生活関係が最多の７６０件、学校生活関係が２０８件、自身の性格・行動に関することが１５０件、その他が２８３件だった。

　子ども本人からの相談件数は９１９件。学校種別でみると、中学生が４７５件と最も多く、小学生が２８８件、高校生が１２１件、その他が３５件。保護者など大人からの相談件数は４８２件だった。

　センターは「前年度と比較して子ども本人からの相談件数は増加しているが、保護者など大人からの相談件数は減少傾向にある」とし、子ども本人からの増加要因について「３年度は７月７日までライン相談を休止していた影響で、４年度は子ども本人からの相談件数が増加した」と分析している。

　大人からの相談減を受け今後は、保護者向けの広報誌を２回発行することで保護者への周知を図っていく考え。

(札幌市 2022-10-21付)