檜山管内 全国学力等調査結果 小学校全教科で道内最高 厚沢部町は8年連続全国超
(道・道教委 2022-11-02付)

 【函館発】道教委が発表した本年度の全国学力・学習状況調査の管内別平均正答率で、檜山管内は小学校の全教科、中学校の国語で全国平均を上回った。前年度に引き続き、小学校における全教科の平均正答率は全管内で最も高い結果に。うち厚沢部町では、小・中学校の全ての教科で8年連続全国平均を超えており「文章の要約指導」などの学力向上に向けた取組が着実に成果を上げている。

 管内別の平均正答率をみると、小学校では国語が6・2ポイント、算数が4・5ポイント、理科が7・9ポイント全国平均を上回り、いずれも4ポイント以上の差を開いている。

 中学校では、数学が4・8ポイント、理科が1・2ポイント下回ったものの、国語は小学校同様、2・1ポイント全国平均を上回った。

 今回の調査結果で、小学校における管内の平均正答率は、47都道府県の中でも高い傾向にあるとみられる。檜山教育局は前年度から、各教科の指導指導力向上に向けた「学び合いプロジェクト」を開始。また、学校の要請に応じて訪問する要請学校訪問を活発化させている。山内功教育支援課長は「学校と町教委、教育局の連携が一層強化された結果」と分析し、管内各校では「新学習指導要領で求められている対話的授業やICTを活用し、児童生徒の考えを共有する指導に教員が熱心に取り組んでいる成果」と話す。

 管内7町のうち、厚沢部町の小学校は平成27年度以降、8年連続で、中学校は27年度以前から全教科で全国平均を上回る結果に。

 本年度、町内の小中学生46人が受験した調査の平均正答率は、小学校の国語で13・4ポイント、算数で8・8ポイント、理科で9・7ポイント超。

 中学校の国語で10ポイント、数学で7・6ポイント、理科で5・7ポイント超と、全教科で5ポイント以上、全国平均を上回っている。

 町教委によると、町内の小学校では26年度から、児童が課題と感じる分野を中心に指導する放課後学習を開始。授業改善の成果は翌年から調査結果に大きく反映した。

 中学校においては、チーム・ティーチングによる習熟度別学習や定期考査期間前の放課後学習など、生徒の個別最適な学びや協働的な学びを支援する体制を構築。

 また、学校外で、生徒は町が設置する公営塾で個々の苦手分野を学習したり、より発展的な学習に挑戦したりしているという。

 一方、3年度の調査結果では、国語の「書くこと」における領域の平均正答率の低さが課題に。町教委は、こうした点に着目し、各校で日々の授業内で文章の要約に力を入れる指導を展開するようになった。

 「5W1Hの要点を相手に伝える」「文章の中からキーワードを探して論理展開を読み取る」といった学習を各教科で実践した結果、本年度の「書くこと」の領域は小・中学校共に全国平均を超え、最も高いポイントの獲得を達成している。

 課題改善に向けて熱意を注ぐ各校の取組について、鈴木聡教育長は「教員は児童生徒の個々の課題克服に向け、日々の授業改善を進めながら力を注いでいる。教職員の意識向上を持続させる管理職の学校経営や各家庭の理解など、様々な要素が児童生徒の学力定着につながっている」と分析する。

(道・道教委 2022-11-02付)

その他の記事( 道・道教委)

道社会貢献賞(私学教育) 青木氏ら5人に栄誉 きょう7日 表彰式挙行

 道は4年度道社会貢献賞(私学教育功績者)の被表彰者として、富良野光明学園理事長の青木賢亮氏ら5人を決定した。表彰式はきょう7日午前11時から札幌ガーデンパレスで執り行う。  道は毎年度、...

(2022-11-07)  全て読む

いじめ対応の羅針盤 道教委が資料集を作成 分析シート等20ツール収録

 道教委は、いじめ対応ガイドブック・支援ツール「コンパス」を作成した。いじめの未然防止、早期発見、組織的対応、重大事態対応の各段階において学校が取り組むべき具体的な取組と、チェックリストや分...

(2022-11-07)  全て読む

宗谷総振局しごと発見フェア 将来を考える機会に 高校生に地元企業がPR

宗谷振興局しごと発見フェア  【稚内発】宗谷総合振興局は10月25日、稚内市内のサフィールホテル稚内で「てっぺん宗谷deしごと発見フェア2022」を開催した。管内の各業種から、計27社が参加。高校生は、日々の業務や仕事...

(2022-11-04)  全て読む

5年度教員採用候補者追加選考 小学校教諭で募集開始 11月18日まで 道教委

 道教委は公立学校教員採用候補者追加選考検査の5年度実施要領を公表した。教員確保のため、今回初めて小学校教諭の区分で募集を開始する。高校、特別支援学校を含めた採用人数は計49人程度を予定して...

(2022-11-02)  全て読む

道教委 全国学力調査報告書 檜山4教科で全国以上 端末利用拡大も持ち帰りに差

表  道教委は1日、『令和4年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書』を公表した。道内の全179市町村分で、平均正答率が全国平均を上回った市町村数は小学校の理科と中学校の国語で4割以上となっ...

(2022-11-02)  全て読む

高校生がインターハイへ秋フェス 6日午後2時から配信 イベント会場では応援企画も

 5年度全国高校総合体育大会開催に向けたライブ配信型イベント「2023北海道インターハイオータムフェスティバル(秋フェス)」が6日午後に開催される。道内各地の紹介や名産品が当たる参加型クイズ...

(2022-11-01)  全て読む

令和の教職員集団形成へ中教審が答申素案報告 意見公募経て年内決定へ

 中教審は、10月28日の第131回総会で「“令和の日本型学校教育”を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」答申素案を報告した。「新たな教師の学びの実現と、多様な専門性を有する質の高...

(2022-11-01)  全て読む

檜山局 働き方改革推進会議等 好事例の成果を共有 職員玄関解施錠など意見交換

 【函館発】檜山教育局は26日、檜山合同庁舎で管内学校における働き方改革推進会議および働き方改革推進事業中間報告会を開催した=写真=。会議では、教頭の負担軽減に向けた取組の一つとなる職員玄関...

(2022-10-31)  全て読む

道教委・道高P連が道建協に要請 新規高卒者雇用促進を 土木科の充実発展に期待

道教委等が道建協に要望  道教委と道高校PTA連合会(村井為敦会長)は27日、北海道建設業協会に新規高校卒業予定者の雇用促進および就業体験活動推進事業に関する協力を要請した。道建設業協会の渡部明雄常務理事は「業界と...

(2022-10-31)  全て読む

学校司書として活躍を 道教委 学校図書館担当職員講習 150人以上が28時間の講習修了

 道教委が本年度新たに開設した「学校図書館担当職員講習」が27日、予定していた全ての講義を終了した。学校図書館を担当する職員(学校司書)の養成・配置促進と資質の向上を図るための独自事業で、7...

(2022-10-31)  全て読む