令和の教職員集団形成へ中教審が答申素案報告　意見公募経て年内決定へ

（道・道教委 2022-11-01付）

　中教審は、１０月２８日の第１３１回総会で「“令和の日本型学校教育”を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」答申素案を報告した。「新たな教師の学びの実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成」のもと、教員の育成と確保、養成に関する改革の方向性を示した。パブリックコメントを経て年内に決定する。

　答申素案は社会の変化や子どもたちの多様化、研修履歴を活用した新たな研修制度等を踏まえ、教師の養成・採用・研修に関する国における改革の全体像を示すもの。「創造的で魅力ある教職の魅力の再認識、志願者の増加、教師自身が志気を高め、誇りをもって働くことができる将来の実現」を目標としている。

　具体的な対応策として、①令和の日本型学校教育を担う新たな教師像と教師に求められる資質・能力②多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成③教員免許の在り方④教員養成大学・学部、教職大学院の在り方⑤教師を支える環境整備―の５つの観点で整理。

　このうち「質の高い教職員集団の形成」に向けては、教員採用選考検査の在り方の検討や特別免許状の活用促進、小学校の専科指導や高校の情報科の教員確保を図る教員資格認定試験の拡大などを挙げている。

　研修履歴を活用した指導助言の開始を見据え、校長など管理職における資質・能力の明確化や学校現場における負担軽減についても記載。教師を支える環境整備では、教職員定数の改善や支援スタッフの充実、メンタルヘルス対策の必要性や、６年ぶりの実施となる教員の勤務実態調査の結果を踏まえ、給特法を含めた処遇の在り方を検討をすることを明記した。

　委員からは「潜在的に良い教師になる多くの人たちに強く発信してほしい」「教育委員会、大学、教職員の関係者に届く工夫を」と意見が。優秀な教員を確保するため給与面を含む処遇改善など今後に期待する声が上がった。

　会議では第４期教育振興基本計画策定に向けた基本的な考えについても審議。今後、各分科会で目標、施策群、指標について議論し、年度内に答申する。

(道・道教委 2022-11-01付)