檜山局 働き方改革推進会議等 好事例の成果を共有 職員玄関解施錠など意見交換
(道・道教委 2022-10-31付)

 【函館発】檜山教育局は26日、檜山合同庁舎で管内学校における働き方改革推進会議および働き方改革推進事業中間報告会を開催した=写真=。会議では、教頭の負担軽減に向けた取組の一つとなる職員玄関の解施錠などを中心に各町の課題を共有。中間報告会では、推進校の厚沢部町立厚沢部小学校など3校が実践発表し、専科教員やスクールサポートスタッフなど様々な人材を活用した好事例を報告した。

 オンラインを含め管内町教委の教育長や小・中学校、高校の教職員ら約40人が参加した。

 開会に当たり、近藤史郎局長は前年度の管内小・中学校の時間外在校等時間の調査結果に触れ「中学校では平均在校等時間が全道平均を上回る月が多く、引き続き実効性ある取組が求められている」と強調。「特に多忙な職である教頭の働き方改革などに向けた取組について情報交換を行うとともに今後の取組につなげていきたい」と述べた。

 会議では①教頭の働き方改革②出退勤管理システムのデータ活用―の2点を議題に設定。佐藤潤子企画総務課長は、通知「道立学校管理規則の一部を改正する教育委員会規則等の制定について」「道立学校の職員玄関等の解施錠に関する取り扱いについて」をもとに説明し「管理規則等の整備は教諭や事務職員の標準的職務の明確化によって、教頭の業務を他に移行する手段の一つとなる」とし、取組推進へ協力を求めた。

 意見交換では、職員玄関等の解施錠に関する話題が上がった。檜山校長会の福井順一会長は「校舎の施設点検を当番制で行っていたが、一部の教職員から負担になるという声が上がり、現在は教頭および校長が行っている。業務のリズムが崩れるなど、他の職員の負担増となる可能性があるため、十分考慮しながら進めていきたい」と話した。

 ②では「教育職員に係る時間外在校等時間の公表」について、佐藤企画総務課長が本年度中に公表するよう求めた。

 意見交換で今金町教委の中山秀悦教育長は部活動の地域移行に触れ「教員の働き方改革が要因で地域移行が進んでいる訳ではないということを地域住民に分かりやすく伝えることを心がけたい」と話した。

 中間報告会では、推進事業指定校の江差高校、厚沢部小、厚沢部中学校の3校が成果と課題を共有。

 厚沢部小の松村浩良校長は、各教科で配置している専科教員の加配を紹介。追加型や授業交換型など工夫した加配活用で、働き方改革だけではなく、質の高い学びの提供につなげているとした。教頭の働き方改革では、事務職員定数加配による支援体制によって、教頭が教職員の資質・能力を向上させるなどのマネジメント業務を中心に行えるような体制構築などを紹介し、在校等時間の軽減を図っていることを説明。今後は通知表の簡略化を検討するなど改革の方向性を示した。

 厚沢部中の玉置英樹校長は、保護者の理解を得た上で学校給食費等の口座振替を行っていることやスクールサポートスタッフによる採点等の協力、ICTを積極的に活用した業務軽減などを挙げ、在校等時間数の短縮につなげていることを紹介。「生徒が充実した学びにつながっていると実感するような取組が必要」と述べた。

 江差高では、職員会議資料の電子化や行事黒板の廃止などをコアチームで推進。武藤禎弘校長は「改革の意識が職場全体に広がっている」と成果を報告。今後は、教員数に見合う部活動の調整や業務平準化を目的とした複数担任制導入などの検討事項を伝えた。

 釧路教育局の青木悟働き方改革主幹は「厚沢部小、厚沢部中では働き方改革の目的が学校経営に位置付けられていて素晴らしい。教職員の肯定的な受け止めや外部人材を活用した事例は参考となる。江差高では校長のリーダーシップのもと着実に改革が進んでいる」と3校の取組を評価した。

(道・道教委 2022-10-31付)

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