道教委　地域コーディネーター会議　目的や意図の共有が重要　下川商業高の事例紹介など

（道・道教委 2022-10-27付）

　道教委は１９日、オンラインで「北海道ＣＬＡＳＳプロジェクト第２回地域コーディネーターミーティング」を開いた。下川商業高校の遠藤謙太教諭が事例紹介し「コーディネーターが地域の方とつないでくれたおかげで、本当に実社会で役立つ力を育てることができるようになった」との成果を挙げたほか、地域と協働する際「何のためにやるのかを明確に」「小まめな打ち合わせを重ね確認を」「遠慮せず意見を伝えること」などのポイントを示した。

　地域コーディネーターが抱える課題の解決および資質向上を図り、地学協働活動の推進に寄与するもの。

　はじめに、高校教育課の岩館良伸主任指導主事が「総合的な探究の時間を軸とした教育課程の編成について」と題し講義。

　現在、学校で行われている教育の概要について各コーディネーターに周知し、特に社会に開かれた教育課程や「探究」を重視する理由について詳しく説明した。

　続いて、下川商業高商業科長の遠藤教諭が「学校として地域コーディネーターに望むこと」と題し事例紹介を行った。

　遠藤教諭は、地域コーディネーターの本間莉恵さんについて「これまで課題研究では、実社会で必要な実践力の育成を図ってきたつもりだったが、本間さんが地域の方とつないでくれたおかげで、本当に実社会で役立つ力を育てることができるようになった」と感謝。

　続いて、生徒が様々な地域住民と対話する「ゲストトーク」や、小学校のクラブ活動の企画（ウオークラリー、昆虫クイズなど）から運営までを生徒が行う取組などを紹介した。

　また、これまではグループで課題を選ばせていたが、本年度から一人ひとりがテーマを設定できるようにし「下川町の商店のポップ作り」「ＳＤＧｓお役立ちブック作成」「子育て世代向け何でも屋」「小学生から大人まで楽しくエクササイズ」「廃品のリメイク」「全世代でマラソン交流」「町内ゴミ０企画」「困っている人たちの手助けを」「下川のハロウィーンパーティーでヘアメイクのお手伝いをしたい」「冬でも稲作ができる環境づくり」「高齢者向けスマホ教室」など、バラエティーに富んだ課題が考案され、町のハロウィーンのイベントで生徒がヘアメイクの依頼を受けるなど、地域との関係が深まったことを紹介した。

　遠藤教諭は地学協働を進める上での注意点として「誰のため、何のためにやるのかを明確にすること」「小まめな打ち合わせを重ね、確認を大切にすること」「うわべだけではなく、遠慮せず意見を伝えること」「３年生には進路の活動もあることなど、学校・生徒・教員の実情をしっかりと理解してもらうこと」をポイントとして挙げた。

　また、課題として「忙しい中いろいろとお手伝いをしてもらう地域の方に謝礼がないのは心苦しい」「互いに忙しいので、時間を合わせるのが難しい」などの点を挙げた。

　最後に「地域連携を始め、教員の知識だけでは子どもたちの成長をカバーしきれないと実感した。少しでも子どもの成長につながるよう、今後も地域と連携して様々なことに取り組んでいきたい」と述べた。

　このあと質疑応答。また、部会に分かれ、各高校での課題や地域コーディネーターの在り方、教員との関係づくりなどについて知恵を出し合った。

(道・道教委 2022-10-27付)