フロンティア人材育成・実践交流会 縄文文化の魅力考える 渡島局 南茅部高など4校(道・道教委 2022-10-26付)
校種混合グループで縄文文化の魅力発信に向けた方策などを考えた
【函館発】渡島教育局は20日、渡島フロンティア人材育成事業・実践交流会を南茅部高校で開いた。協力校4校の児童生徒が縄文文化に関する自校の学習活動を発表したほか、協議では校種混合のグループで縄文人が地域に住んだ理由や故郷の魅力発信に向けた取組について考えを共有。世界遺産がある地域ならではの探究学習を通して、故郷への愛着心を育むとともに、各校種の連携を深めた。
渡島局では「北海道への誇りと愛着をもち、未来を切り拓く人づくり」をテーマに、本年度から事業を開始。昨年7月に北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録されたことを踏まえ、函館市南茅部地区の小・中学校、高校4校を事業の協力校として指定した。各校では縄文文化の継承・活用を地域課題と捉えた探究活動に取り組んでいる。
今回は代表の児童生徒が一堂に会し、情報交流や協議を行う実践交流会を企画。探究的な学びを深めるとともに、故郷への誇りと愛着を育むことをねらいとした。
発表では、協力校の函館市立南茅部小学校(深澤昌明校長)、尾札部中学校(山口哲也校長)、臼尻中学校(小川俊哉校長)、南茅部高(伊勢一哉校長)の4校から30人の児童生徒が参加。縄文文化交流センターにおける見学や体験活動など、これまで取り組んできた各校の実践を周知した。
うち尾札部中では縄文講演会を実施するなど、垣ノ島遺跡について理解を深める学習を展開。生徒は縄文文化交流センターで足形付土板を見学した際の感想を発表し「亡くなった子どもの形見として大切にしていたという解説を聞き、親の気持ちや愛情の深さはいつの時代も変わらないと思った」と振り返った。
協議では①南茅部地域で遺跡が発掘される理由②地域の魅力を多くの人に発信するための取組―の2点について、児童生徒が校種混合の4グループに分かれ、ジャムボード上で意見を共有。
①について児童生徒は「海が近く、漁業がしやすい環境だから」「住みやすい気候だったから」などと予想。②については「縄文祭りなどのイベントを開催する」「ユーチューブやSNSで情報発信する。札幌などの都市部でもアピールしたい」「縄文の歴史や文化をアニメ化して流行させる」などの意見が上がった。
協議後は、ジャムボードで共有した意見を確認。渡島局社会教育指導班の南部晃宏社会教育主事は「皆さんの持っている新しい視点で縄文文化に触れることが大切」と助言。「SNSの活用は、使いこなすことができる世代として大いに力を発揮できると思う。家庭で縄文文化を話し合うのも活動の第一歩」とアドバイスした。
発表会後、小中学生は高校生と共に南茅部高の校内を見学し、高校生の生活に触れる機会も設けた。
また、児童生徒は21日から2日間、事業の一環として青森県内を視察。三内丸山遺跡などの訪問を通して、他地域の縄文文化に触れるとともに、各校の実践に生かすほか、来年1月ごろには年間の取組に関する報告会を実施する予定。
南茅部高で縄文クラブに所属する1年の熊谷楓さんは「小さい子どもからお年寄りまでが縄文文化に親しむことのできる活動を展開できれば」と期待を寄せた。
(道・道教委 2022-10-26付)
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