マイスターハイスクール厚岸翔洋 水産業スマート化を報告 海洋観測ICT化など期待大
(道・道教委 2022-10-25付)

マイスター厚岸翔洋高福田校長
倉本教育長は札幌市内第二水産ビルから参加

 道教委は21日、第2回マイスターハイスクール運営委員会をオンラインで開催した。厚岸翔洋高校の福田雅人校長が海中の水温・塩分を測定するスマートブイの設置や厚岸水産物を活用したレシピの開発など半年間の取組を報告。委員からは昨年の赤潮被害から海洋環境の変化を可視化するICTの活用に大きく期待する声が上がった。

 同校は本年度から文部科学省のマイスター・ハイスクール事業の研究指定校として、IT技術を活用したスマート水産業のけん引、厚岸水産物の高付加価値化を図るキーパーソンである持続的な地域の水産業の創り手(マリン・イノベーター)の育成を目指す取組を進めている。

 運営委員会は全ての意思決定や事業の統括などを行う機関であり、この日運営委員長を務める若狭靖厚岸町長、厚岸漁業協同組合、厚岸町商工会の代表ら委員計9人が出席した。

 福田校長は、スマートブイの設置、厚岸産水産物を活用した新たな料理レシピの開発、混獲生物の有効利用の研究などの様々な取組について説明。今後、赤潮モニタリングのための検出センサーや空中・水中ドローンの導入、開発レシピの商品化・実用化に向けた企業連携などを計画しているとし「引き続き地域漁業者との協働体制の構築を図り、漁業、食、観光の分野での地域創生の担い手の輩出を目指した取組を進めていく」と述べた。

 説明後に質疑応答を実施。倉本博史教育長は事業終了後を見据えた地域との連携・協力体制を構築するため、報告会や見学会など学校の取組を周知する機会を充実するよう助言した。

 釧路総合振興局の菅原裕之局長は「赤潮被害から海洋環境が大きく変化していることは明らかで、これまでの漁業者の経験や勘で漁業を進めることは限界。水産業のスマート化は今後の継続的な海洋観測や持続的な漁業生産活動を支える上で重要であり、大変注目している」と期待した。

 このほか「今後の水産振興のため未利用資源の活用が重要であり、厚岸翔陽高の研究は非常に価値がある」「厚岸水産物の新たなレシピ化に積極的に協力したい」などの声が上がった。

(道・道教委 2022-10-25付)

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