石狩局 授業改善セミナー「情報」 ICTで効果的学習を ピクトグラム作成の授業紹介
(道・道教委 2022-10-26付)

石狩局授業改善セミナー情報
「情報」スペシャリストの前田教諭(写真奥)が実践発表等を行った

 石狩教育局は14日、札幌北高校で授業改善セミナー教科指導講座(道央ブロック「情報」)を開催した。石狩、空知、後志管内の高校教諭ら9人が参加。ICTを活用した効果的な学習指導や「情報」の授業実践について研鑚を積んだ。

 S―TEAM教育推進事業「STEAM」推進プロジェクト探究学習推進事業の一環。各教科等で身に付けた見方・考え方を活用して、生徒が主体的に探究に取り組むことができるよう、授業改善に資するもの。

 今回のテーマは「教科・科目における探究的な学び(主体的・対話的で深い学びの充実)」と「ICT(1人1台端末)を活用した効果的な学習指導」。

 はじめにICT教育推進課ICT教育指導係の佐藤公敏係長らが「教科“情報”におけるICTを効果的に活用した情報活用能力の育成について」と題し説明。

 「高校の指導要領は2030年をイメージしてつくられており、端末とネットワークとクラウドサービスを日常的に使用する社会を想定している」「そのような社会に向かって大切となる3つの資質・能力をどう育むかがきょうのテーマ」などと述べた。

 その上で「ICTは授業改善の道具として役立てることが大切」「先生ではなく子どもが使うようにすること」などのポイントを示し、どの教科・科目でも生かせるクラウドアプリや、文章、プレゼンテーション、表計算、オンラインによる協働編集機能などを持つクラウドサービスを紹介。

 また、道教委の「ICTポータルサイト」の活用を求めたほか「どの教科でも情報活用能力や探究が求められている。情報が1学年に設定されているのはそのため」「しっかり見通しを持った単元の指導と評価の計画が重要。観点別評価はなぜAなのか、なぜBなのかという根拠を説明できなければいけない」「評価基準は1つの単元で3つ、1時間の授業では1つを勧めている。2つ観点があると40人×2で大変なことになる」などと述べた。

 続いて参加者同士で情報交流。「共通テストの対策と探究の両立ができるか不安」「生徒は情報の収集は得意でも分析やまとめができないので、どうしたら良いか」「ワイファイが教室によってはつながらない」などの声が出された。

 続いて、4年度教科「情報」スペシャリストの前田健太朗札幌北高校教諭が「科目“情報1”における情報活用能力の育成に向けた情報デザインの授業実践について」と題し事例発表。

 大学入試センターが3年に公表した「情報サンプル問題」などを紹介したあと、札幌北高の本年度の授業について紹介した。

 前田教諭は、情報デザインの単元で抽象化、可視化、構造化、ユニバーサルデザインなどを説明した上でピクトグラム(トイレの男女別記号など)作成を実習。ピクトグラムを選んだ理由について「ポスターやウェブページ作成に比べ時間がかからない」などを挙げた。

 授業では「世の中にこんなピクトグラムがあるといいね」というようなピクトグラムを作成。ある程度仕上がったところで5人程度でミニ発表会を行い、分かりやすく伝わっているか客観的に評価してもらったり、上手な人からこつを教えてもらったりし、より良いピクトグラムを目指した。

 このあと、前田教諭を講師に「1人1台端末を活用した情報デザインの指導について」をテーマにワークショップ。最後に「情報活用能力の育成に向けた授業改善について」をテーマに研究協議を行った。

(道・道教委 2022-10-26付)

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