個人テーマで意欲向上(道・道教委 2022-10-27付)
個人テーマで意欲向上 綿密な情報共有を大切に
道CLASSプロジェクト第2回地域コーディネーターミーティングでは、下川商業高の事例紹介をもとに、地学協働や地域コーディネーターの在り方について質疑応答・情報交流を行った。同校の「1人1テーマ」の課題設定に注目が集まり、遠藤教諭とコーディネーターの本間さんが「個人設定にしてから生徒が自ら課題に取り組むようになった」「過去の失敗例を示すことで生徒が線を引けるようになる」などと答えた。質疑応答の概要はつぎのとおり。
Q 最初のころ大変だったことは。
A 今は課題研究は1人1テーマだが、当時はグループごとに「環境」「福祉」などのテーマを選ばせていた。
学校からは特に人材をコーディネートしてという話もなく、町について話してほしいと言われたが、それではテーマも絞れないし、町で起こっていることも見えてこないので、いろいろ提案していった。
昨年から個人でのテーマにし、授業の枠を越えて実際に町に出るようになった。
Q 個人でのテーマ設定は大変?
A これまでは「やらされている」感が強かったが、個人テーマでは①できること、得意なこと②好きなこと、やりたいこと③求められていること、必要なこと―の3点から考えて設定するようにした。すると、子どもたちが自ら課題に取り組んでいくようになった。
Q 課題設定にはどのくらい時間をかけたか。
A 小学校でのクラブの企画・運営も課題設定のための時間に位置付けており、30時間ほどかけている。
Q どんな活動をさせてきたか。
A 最初はゲストトークで地域の方の話を聞き、どんな人がいるかを知り、子どもたちは自分が何が好きかを発見し自己理解を深めていった。できること、やりたいこと、求められていることを考え、生徒が選んだテーマに合った方をゲストスピーカーとして探してきた。町にはいろいろな人がいるが、その中で教育に協力してくれる人を選んできた。
Q 課題設定の際はどの程度先生が関与しているか。
A 昨年、一昨年はたくさん失敗したので、課題設定の際に生徒に失敗例を提示した。「こういうことをするのは無理がある」ということを伝えた。そうすると生徒の方で一定のラインを引けるようになる。
ただ、教員の知識の幅は狭いので、生徒の考えを安易に却下するのはどうかと思う。やらせてみて、失敗したという経験もありではないか。そこら辺は本間さんと実現の可能性を探りながらやっている。
Q 1学年30人をどのくらいの先生で見ているのか。
A これまでは1人でやっていたが、これから外に出るので商業科4人で見ていきたい。
Q 学校と地域コーディネーターがうまくやっていくために必要なことは。
A 情報の共有が絶対大切。本間さんは週1回しか来れないので、SNSなどを利用し、何がしたいか、今何をしてるかを密にしていかないとうまくいかない。
(道・道教委 2022-10-27付)
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