学校司書として活躍を 道教委 学校図書館担当職員講習 150人以上が28時間の講習修了
(道・道教委 2022-10-31付)

 道教委が本年度新たに開設した「学校図書館担当職員講習」が27日、予定していた全ての講義を終了した。学校図書館を担当する職員(学校司書)の養成・配置促進と資質の向上を図るための独自事業で、7月26日から3ヵ月にわたり28時間の全日程を150人以上が修了。社会教育課の五十嵐秀介課長補佐が「今後、学校から募集があった際は自信を持って引き受けてほしい」とエールを送った。

 道内の学校司書配置率は全国に比べ低い状況にあり、その養成と資質向上が求められることから、新たな講習を開講した。修了者には道教委独自の講習修了認定を行い、学校司書として活躍してもらう。

 7月26日から講習をスタート。本道の広域性や新型コロナウイルス感染防止のためオンラインを中心とし、繰り返し学べるようオンデマンドでの受講ができるようにした。

 講師は全国学校図書館協議会学校図書館スーパーバイザーなど。「学校図書館の理念と教育的意義」「教育行政と学校図書館」「学校図書館の経営(人、資料、予算、評価等)」など、学校図書館の役割や、学習指導要領・教育課程と学校図書館との関係、司書教諭と学校司書等の職務・役割分担と協働などを28時間にわたる講義で詳しく説明した。

 最終日の27日は、全国学校図書館協議会学校図書館スーパーバイザーの佐藤敬子さんが「児童生徒と本をつなぐ方法」と題し講義。

 最後のコマでは、学習支援や授業の実践理解について述べ「授業計画案・学習指導案作成のための支援は、授業をする先生と司書教諭との円滑な話し合いが大切」「先生が何を必要としているかを看破する力を付け本を薦めてほしい」「使える本を見つける力は、学校のメディアに対する深い理解があればこそ」などと述べた。

 また「教科を考えるときは、カリキュラムを見て、大ざっぱに特性をつかんでおくこと」「特別支援学校の生徒への支援は、どんな児童生徒がいるかを把握し、それに対応すること。弱視の子には拡大絵本などがとても重要」など実践的なポイントを説明した。

 まとめとして、司書教諭と学校司書の違いについて「司書教諭は教育の専門家なので先生でなければいけない」「学校司書は、専ら図書館の職務に従事する。メディアに関わる専門家」とし「司書教諭と学校司書は車の両輪。司書教諭は指導、学校司書は支援を行う。互いに思いやりながら話し合い、協力しながら良い学校図書館をつくってほしい」と求めた。

 最後に、社会教育課の五十嵐課長補佐があいさつ。多数の受講に感謝し「受講した内容をぜひ学校内で共有し、学校全体で学校図書館の運営や授業への活用に関わってもらうことによって、学校図書館の重要性と認知度の向上を図り、利活用の促進につなげてもらえれば」と期待した。

 また「現在ボランティアや事務職員などの方は今後、学校で募集があったときや分掌を任されたとき、自信を持って引き受けてほしい」とエールを送った。

 道教委では、後日受講者から聞き取り等を行い、その活躍をまとめ、全道に発信する予定。

(道・道教委 2022-10-31付)

その他の記事( 道・道教委)

檜山管内 全国学力等調査結果 小学校全教科で道内最高 厚沢部町は8年連続全国超

 【函館発】道教委が発表した本年度の全国学力・学習状況調査の管内別平均正答率で、檜山管内は小学校の全教科、中学校の国語で全国平均を上回った。前年度に引き続き、小学校における全教科の平均正答率...

(2022-11-02)  全て読む

高校生がインターハイへ秋フェス 6日午後2時から配信 イベント会場では応援企画も

 5年度全国高校総合体育大会開催に向けたライブ配信型イベント「2023北海道インターハイオータムフェスティバル(秋フェス)」が6日午後に開催される。道内各地の紹介や名産品が当たる参加型クイズ...

(2022-11-01)  全て読む

令和の教職員集団形成へ中教審が答申素案報告 意見公募経て年内決定へ

 中教審は、10月28日の第131回総会で「“令和の日本型学校教育”を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」答申素案を報告した。「新たな教師の学びの実現と、多様な専門性を有する質の高...

(2022-11-01)  全て読む

檜山局 働き方改革推進会議等 好事例の成果を共有 職員玄関解施錠など意見交換

 【函館発】檜山教育局は26日、檜山合同庁舎で管内学校における働き方改革推進会議および働き方改革推進事業中間報告会を開催した=写真=。会議では、教頭の負担軽減に向けた取組の一つとなる職員玄関...

(2022-10-31)  全て読む

道教委・道高P連が道建協に要請 新規高卒者雇用促進を 土木科の充実発展に期待

道教委等が道建協に要望  道教委と道高校PTA連合会(村井為敦会長)は27日、北海道建設業協会に新規高校卒業予定者の雇用促進および就業体験活動推進事業に関する協力を要請した。道建設業協会の渡部明雄常務理事は「業界と...

(2022-10-31)  全て読む

4年度心の教育推進フォーラム 5日と26日にイベント 檜山・根室でいじめ対応等

 道、道警、道教委の3者による北海道心の教育推進会議(会長・倉本博史道教委教育長)は、11月5日と26日にオンラインで「4年度心の教育推進フォーラム」を開催する。檜山教育局と根室教育局が主管...

(2022-10-28)  全て読む

個人テーマで意欲向上

個人テーマで意欲向上 綿密な情報共有を大切に  道CLASSプロジェクト第2回地域コーディネーターミーティングでは、下川商業高の事例紹介をもとに、地学協働や地域コーディネーターの在り方につ...

(2022-10-27)  全て読む

道教委 地域コーディネーター会議 目的や意図の共有が重要 下川商業高の事例紹介など

 道教委は19日、オンラインで「北海道CLASSプロジェクト第2回地域コーディネーターミーティング」を開いた。下川商業高校の遠藤謙太教諭が事例紹介し「コーディネーターが地域の方とつないでくれ...

(2022-10-27)  全て読む

道教委 家庭教育基盤構築事業 11月に支援者養成研修 オンラインで双方向の研修を

 道教委は、11月29日午前9時30分からオンラインで「家庭教育支援者養成研修」を開催する。前年度から3ヵ年で進めている「地域における家庭教育基盤構築事業」の一環。前年度の動画配信に続き、今...

(2022-10-27)  全て読む

教員養成セミナー前期日程 590人 教職の魅力学ぶ 高校生、教員、大学生で座談会

教員養成セミナー  道教委と道教育大学は7、14、24日の3日間、高校生を対象とする教員養成セミナー(前期)を開催した。教員志望の高校生計約590人が参加。現職教員や現役大学生との座談会を通し、困難を乗り越え...

(2022-10-26)  全て読む