江差小 公開研究会 読み手意識した表現に 4年国語 ICT活用し文章を推敲
(学校 2022-11-22付)

江差小公開研究会
北田教諭が4年生の国語を指導

 【函館発】江差町立江差小学校(谷口光伸校長)は16日、同校で公開研究会を開いた。4年生の国語科で児童が自身の文章を読み返し、より良いものに仕上げていく「推敲」の学習過程を展開。児童が読み手意識を心がけながら相手に自分の思いをうまく表現できるよう、ICTやグループミーティングを効果的に導入する工夫した指導の成果を披露した。

 同校は、研究主題「主体的に自分の考えや思いを表現し、伝え合い深め合う子どもの育成」のもと、3ヵ年計画で研究を推進。

 児童の実態から国語科の「書くこと」の領域に課題を見いだし、10分間で文章を書く「ミニ作文」の取組を週1回程度、取り入れるなど語彙力を高める支援を朝活動に導入。授業内では、児童が自身の書いた文章を推敲する習慣の定着を図っている。

 最終年の本年度は、伝える目的や相手を明確化した言語活動の指導を重点に、単元構想シートや発達段階に応じた推敲チェックシートを活用。指導内容の充実に向けて取り組んでいる。

 当日は初任段階教員研修および2年次研修との同時開催。檜山管内の教職員ら約40人が参加した。

 公開授業は、北田俊介教諭が4年生の国語(児童数19人)「“不思議ずかん”を作ろう」を指導。児童はこれまで「江差の自然にまつわる不思議」について、興味・関心のある分野を取材。異学年に読んでもらうため、読み手意識を心がけた個性あふれる創作活動に取り組んできた。

 8時間扱いの7時間目となった本時では「自分や友人の文章を読み、アドバイスし合い、相手や目的を意識した表現になっているかを確かめ、文章を整えることができる」を目標に設定。グループミーティングやICTを適宜取り入れた指導を展開した。

 北田教諭は、児童の取材内容を、より分かりやすい文章に整理するため「読みたくなる題名になっているか」「書き出しの工夫」「難しい言葉には説明がついているか」など、教科書の重点事項を1人1台端末で共有。「読み返しポイント」として、児童がいつでも確認できるよう支援した。

 児童は「読み返しポイント」をもとに、文章の修正個所を赤いペンで記入。見直した文章は端末で撮影し、ロイロノート上で北田教諭と共有した。

 グループミーティングでは、児童が3人一組となって、文章を読み合い、意見を交換。タブレット端末上で友人の文章を確認しながら、題名や書き出しの工夫、分かりやすい説明の有無などについて互いにアドバイス。

 ミーティング後は、友人の意見を参考に、自身の文章をあらためて見直したほか、赤ペンで再度修正。

 北田教諭は、児童の文章をスクリーンに投影し、良い点などを紹介した。

 児童は「読者に興味を持たせる投げかけ形式の書き出しにした」「“写真①を見てください”など、相手が分かりやすい説明を加えた」などと推敲による変更点を発表。読み手を意識した思い思いの文章を学級内で共有した。

 公開授業後は、研究部長を務める宍戸暢宏教諭が研究概要を説明したほか「読み返しポイント」を活用した推敲、グループミーティングの有効性などを討議の柱に、参加者が活発に協議。

 助言者として檜山教育局の井田昌之義務教育指導班主査は「ICTを活用するポイントが的確だった。グループミーティングでは、話し合う目的が明確化されていたため、推敲に向けた活動が充実していた」と評価した。

(学校 2022-11-22付)

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