札幌市　総合教育会議　グローバル人材育成へ　英語の積極的活用求める声

（札幌市 2022-11-30付）

札幌市総合教育会議

　札幌市は２８日、市立札幌旭丘高校で４年度総合教育会議を開いた。テーマは「未来の札幌を牽引するグローバル人材育成に向けた取組について」。出席者からは、英語によるコミュニケーションの積極的な活用、自ら課題を発見し解決する力の育成、身近なまちの良さに気付かせる活動の推進などの重要性について意見が上がった。

　秋元克広市長、町田隆敏副市長、檜田英樹教育長のほか、市教委の阿部夕子、佐藤淳、石井知子、道尻豊、中野倫仁の各委員が出席した。

　はじめに、市教委の長谷川正人学校教育部長がテーマに基づく市教委や学校の取組について説明。

　本年度から、市学校教育の重点の基盤に「人間尊重の教育」を位置付け、人間尊重の教育推進事業を通して、子ども一人ひとりが「自分が大切にされている」と実感できる学校づくりに努めていることに触れた。このほか、総合教育会議前に視察した啓明中学校の授業概要、市立札幌開成中等教育学校における国際バカロレアの活用などについて紹介した。

　旭丘高の相沢克明校長は、本年度から開設した数理データサイエンス科の理念や教育内容を紹介し「この学科で学んだ生徒たちが、データサイエンスを駆使しながら未来の札幌を力強くけん引していくことを夢見て今後も学科の充実を図っていきたい」と述べた。

　協議に移り、出席者がテーマに基づき意見を述べた。

　市教委委員らは「札幌の企業では、英語を使うシーンがまだまだ少ないと感じる。学んだことを社会につなげていく流れができると、子どもたちの成長につながるのでは」「グローバル人材の育成に向けて、心の垣根を低くする働きかけ、身の回り（札幌）の良さに気付かせる働きかけが重要」などと声を上げた。

　檜田教育長は「各学校での研修などによって、昔の受験英語からコミュニケーションツールとしての英語という改革が進んでいる。また、発表・プレゼンテーションして終わりという授業ではなく、周りの人をどう説得するかなど、一歩先まで考えて子どもたちがデータを処理しようとする姿が垣間見えた」と話した。

　秋元市長は「全ての子どもたちがチャンスを与えられ、いろいろな考え方を持てるような教育機会をつくっていかなければならないとあらためて感じた」と力を込めた。

(札幌市 2022-11-30付)