札特活　福移小中で全市研究大会　皆で協力できる種目は？　５年学活「雪中運動会をしよう」

（札幌市 2022-12-23付）

自分の意見を積極的に発表した

　札幌市特別活動研究会（札特活、山下尊子会長）は９日、市立福移小中学校（瀧澤佳実校長）で本年度全市研究大会を開催した。会員ら約２０人が参加し、５年学活の授業を視察した。来年１月の雪中運動会で実施する種目について、プレゼンテーションを踏まえて児童たちが「みんなで協力」できる活動を議論。より良い合意形成に向けて、他者と協働したり他の考えを尊重したりする大切さを学ぶ姿を確認した。

　札特活の本年度研究主題は「自らのよさを発揮し、多様な他者と協働しながら、集団や社会に働きかける力を高める特別活動」と設定。４ヵ年計画の最終年次に当たる。目指す児童・生徒像に「目標に向かって自主的、実践的に取り組み、仲間のために自らの力を発揮する子」を据え、研究の視点①自主的・実践的な取組を支える活動構成②他者と協働するための教師の関わり―の２点について研究を重ねてきた。

　この日は、５年学活「滝野でスペシャル集会“雪中運動会”をしよう」（福本勇太教諭、児童数１８人）の授業を公開。来年１月に予定している滝野宿泊学習の雪中運動会で実施する種目をテーマに、児童たちが「みんなで協力」できる活動について話し合った。

　５年生の学級目標は「花」。「一人ひとりができることに全力で取り組む」「違いを個性として認め合う」「力を合わせて一つの花を咲かせる」ことを大切にする思いを込めた。

　司会を務める児童が、この日の目標「種目を決めよう」などを説明したあと、４グループが実施したい種目をプレゼンテーションした。各グループは「雪だるまづくり」「かまくらづくり」「宝探しゲーム」「雪合戦」を提案。それぞれ提案した理由、活動で得られる効果などを発表した。

　提案を受け、児童たちが良いと思う活動について意見を交わした。「大きい雪だるまをみんなで作ることで、団結力が高まる」「１８等分した花びらを、宝探しとしてみんなで集めることで、学級の目標を達成できる」など、全員が自分の考えを発表した。

　司会の児童が「賛成意見が多かった“雪だるま”でいいですか？」と問いかけると、福本教諭は「みんなは納得できた？賛成の人数が多いから？」と確認。児童たちは「みんなが一つになれそう」「団結力が高まると思った」など、数ではなく内容に納得して選択したことを確かめ合った。

　２つ目の種目の選択では、残る３つの提案について再び議論した。児童たちは「学級目標を達成できる宝探しがいいと思う」「どれも協力できるけれど、物を作る“雪だるま”と重ならない方がいい」などと発言し、宝探しゲームを選択した。福本教諭は「残る２つの提案もいいものだった。“みんなで協力”を考えたとき、選ばれた２つがより自分たちのイメージに近いということだね」とまとめ、４チームのアイデアを互いに認め合うことの大切さを伝えた。

　参加者はこのあと、研究部および学級活動部会による本次研究の内容確認に続いて、この日の授業に関して討議。より良い特別活動の在り方について研鑚を積んだ。

(札幌市 2022-12-23付)