時間外勤務 1人当たり13時間減 石狩局 働きやすい職場環境へ(道・道教委 2023-01-16付)
職員の働き方を整理し、勤務時間を意識した業務改善を推進
石狩教育局は、職員が働きやすい職場環境づくりに積極的に取り組んでいる。本年度、新たに経営方針を策定。具体的取組として、職員が学校を訪れ業務へのやりがいを実感する「プロジェクトGo to school」や、職員の働き方を整理し、勤務時間を意識した業務改善などを進めている。取組開始から9ヵ月が経過し、職員からは「さらに子どもたちの成長を意識して仕事をするようになった」などの声が上がる。時間外勤務も前年度と比較し1人当たり約13時間の減少に成功。今後は、これまでの取組のさらなる充実と定着を図り、職員のワーク・ライフ・バランスの確立や風通しの良い職場環境づくりを推進していく。
田中賢一局長は「学校における働き方改革を推進している中、教育局自身も業務改善を進め、職員が教育へのやりがいを持ち、持続可能な働き方を模索することも重要」と考え、本年度、新たに経営方針を策定。キーワードに「子どもの未来への検証・改善」を設定し①自らの職務が本道の児童生徒に貢献するよう常に意識するとともに、定期的に検証し、業務推進の仕方について改善・充実を図る②児童生徒、学校、教育委員会の満足度を高める創造的な業務を推進する―の2点を目指す。
具体的な取組として▽検証・改善▽局全体の俯瞰▽力量形成・人材育成▽今後の働き方の整理―の4点を据え、各係および班が様々な取組を推進している。
例えば、8月から実施している「プロジェクトGo to school」は、職員が学校を訪れ、自身の業務が子どもたちの育成に質することへの実感を深めてもらうもの。11月までの間、経営指導訪問などに同行し、学校視察等を行っている。視察した職員は「授業の様子を直接見ることで、子どもたちの成長につながる仕事だと実感した」と話すなど、業務のやりがいをより深く感じていた。
局全体における自らの業務の位置付けを認識するために、他係・班の業務内容を紹介するプレゼンテーションを実施。また、局職員をはじめ、市町村教委や各学校に向けてリーフレットなどを作成した。職員は「各班の取組や目標を相互に知ることで、局として業務の見直しや効率化につながると感じた。情報共有を大切にして、一体感を持って業務に取り組みたい」と手応えを口にする。
このほか、定例業務を迅速に処理する能力を育成するとともに、創造的な業務による新たなアイデアを生み出す能力の定着を目指している。定例業務を圧縮し勤務時間に余裕を生み出すことで、職員の発想に基づく業務改善内容を検討。勤務時間を意識した業務推進に対する共通理解を図っている。
これらの取組推進に向けては、係長、主査、若手職員で構成する石狩オッカイ委員会のメンバーでコアチームを設置。定時退勤するための業務の進め方や業務改善の内容、在宅勤務が可能な業務と不可能な業務を選別した「石狩教育局働き方マニュアル」を作成し、職員のパソコンに勤務時間終了15分前に定時退勤を促すポップを表示するなど、職員提案による取組を通じて、働き方改革への意識を高める一翼を担っている。
風通しの良い職場環境づくりに当たっては、個人紹介リレーメールに取り組んでいる。自身の仕事への思いや普段考えていること、プライベートなどを記したメールを、昼の休憩時間に全職員宛てに送信。6月と8月に実施したコミュニケーショントレーニングと併せて「相談しやすい環境になり、連携して業務を推進できた」などの声が上がる。職場内での望ましい人間関係づくりに効果を発揮している。
これらの取組を通じて、管理職を除く職員の時間外勤務が前年度と比較し、対象職員53人で計約700時間(1人当たり約13時間)の削減を実現した。
田中局長は「職員全員が、働く意義とワーク・ライフ・バランスの重要性を理解し、業務改善を進めながら成果を出していることに感謝している。今後も、職員一人ひとりが一層活躍し、明るい働きがいのある職場づくりを進めていきたい」と期待する。
◆仕事のつながりを意識 教職員係 瀧山真央主事
―取組によってどのように働き方が変わりましたか
従前よりも定時退勤への意識が強まったことで、平日でも趣味に使う時間や休息できる時間が増えたなど、プライベートとのめりはりを付けることができるようになりました。
―職場の雰囲気はどのように変わりましたか
以前は、仕事上関わることの少ない職員とは話す機会がありませんでした。
コミュニケーショントレーニングを通じて、同じ係の職員はもちろん、他係の職員とも関わるきっかけをつくることができるようになりました。より話しやすく、相談しやすい雰囲気になりました。
―業務を行うに当たってどんなことを意識するようになりましたか
自分の仕事はどこにつながっているのか、どのように児童生徒のためになっているのかを意識しながら業務を行うようになりました。
定時退勤を強く意識することで、仕事の進め方や優先順位付け、効率化を図ることを特に意識するようになりました。
―PRポイントを教えてください
石狩局では、ユーチューブやツイッター、石狩WEBチャンネル、ホームページ更新などSNSを活用した取組を積極的に行っています。
教育局での仕事や取組がより多くの方々に伝わることを願っています。
◆勤務形態工夫し効率化 義務教育指導班 関口祐太郎主査
―取組によってどのように働き方が変わりましたか
公用スマートフォンを活用し、在宅勤務やモバイルワーク、ウェブ会議など、それぞれの業務内容やライフスタイルに合わせて勤務形態を工夫するようになりました。
勤務時間内で業務を進めるため、班内で1日の業務内容を確認し、分担しながら対応するなど、業務の効率化を図るようになりました。
―職場の雰囲気はどのように変わりましたか
石狩WEBチャンネルの取組や職員による業務紹介、リレーメールの取組を通して、課や係が連携して局全体で取り組む意識が高まり、互いに声をかけやすい雰囲気が醸成されました。
―業務を行うに当たってどんなことを意識するようになりましたか
班内での日常的な対話を通して、業務上の悩み等を聞いた上で、今後の業務の見通しを共有するなど、チームで業務を進める意識が高まりました。
―具体的な取組を教えてください
教育局の仕事内容を伝えるため、義務班パンフレットを作成したり、他の課や係の職員と学校を訪問したりするなど、職員のアイデアを生かしながら新たな取組を進めています。
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教職員係瀧山主事
義務教育指導関口主査
(道・道教委 2023-01-16付)
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