札工高3年生課題研究発表会 地域等と連携し探究 専門高FPの取組など報告
(学校 2023-01-16付)

札工3年生課題研究発表会
2年生に向けて研究成果を発表する生徒たち

 札幌工業高校(太田潤一校長)は昨年12月下旬の2日間、同校で3年生課題研究発表会を実施した。道教委の専門高校フューチャープロジェクトに位置付けられている「元町会館前広場の改修」「琴似発寒川における河川調査」など、本年度取り組んできた学習の成果を発表。生徒は「地域、企業と協力のもと、作業を行うことができた」と謝意を示した。

 同校は、2年度から専門高校フューチャープロジェクトの指定を受けている。「専門高校における産業教育の充実と人材育成~イノベーションを起こす“多角的なものづくりスキル”を身に付けた人づくり」を研究主題に、地域関係者や各分野の専門業界と連携し、3ヵ年の研究を進め、最終年度となる。

 元町会館前広場の改修を行った班は、距離と角度を同時に計測できるトータルステーションや位置計測を行う全球測位衛星システムなどを用いて作業。専門技術者による協力のもと測量を行った。

 生徒は「地域、企業と協力のもと、実践的な技術測量を行うことができた」「身に付くことがたくさんあり、勉強になった」と報告した。

 また、河川調査を行った班では「治水と生態系確保の両立への取組について」を発表。どのように河川環境を整備すると治水と生態系の確保の両立が可能となるか検証することを目的に取り組んだ。

 専門業界の指導のもと、生物の滞留空間を河川にある材料で整備。その結果、滞留空間で生物が増加したことを説明し、治水と生態系確保の可能性が高まったことを報告した。

 生徒は「企業や研究機関と連携し、仲間と協力して調査を進めることができた。良い経験になった」と話した。

 発表を聞いた2年生は「大変だったことは」「もっと工夫できたと思うことは」などと質問し、自らが取り組む来年度に向けて意識を高めた。

◆地元コンサルに感謝状

 課題研究発表会後、河川調査に協力した札幌市内の(株)北海道技術コンサルタント(関部健治社長)に対し、太田潤一校長が感謝状を手渡した。

 道技術コンサルタントは、同校が継続的に取り組んでいる琴似発寒川での河川調査に協力。3年生土木科の「生物滞留空間の形成」に関する調査研究のサポート、指導を行ってきた。教育活動の協力は4年目となる。

 当日、関部社長、技術管理部の中山仁部長、同校OBの讃岐悠馬技師が来校。教育活動への協力に対する感謝状を受け取った。

 太田校長は「ものづくりだけではなく、学んだ知識を発表する力も必要になってくる。生徒たちにはとても良い刺激となった」と述べ、同社の協力に謝意を示した。

 関部社長は「業界は、担い手確保が課題となっている。知名度を高めるために、若い世代にどのような仕事を行うのか知ってもらいたい。今後も引き続き、教育活動に協力していきたい」と述べた。

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道技術コンサル感謝状贈呈
右から太田校長、関部社長

(学校 2023-01-16付)

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