札幌市内喫茶店で手稲養三角山分校 ロボット使い遠隔で接客 道内店舗で初の試みに臨む
(学校 2023-01-19付)

手稲養護三角山分校・接客体験
ロボットを遠隔操作して接客

 手稲養護学校(鎌田典子校長)三角山分校の生徒3人は昨年12月下旬、札幌市内の「カフェ ツドイ」で分身ロボット「OriHime」を使った遠隔接客体験に臨んだ。道内店舗で初めての試みに参加した生徒たちは、来店した客に対してロボットを介してメニューを紹介。「とても緊張した」「ハキハキと話すことを意識した」などと話した。森屋伸教諭は「技術の発達によって、外の世界とつながることができる」と手応えを口にした。

 OriHimeは、環境や障がいによる移動の制約を克服するため、(株)オリィ研究所が開発したもの。カメラ、マイク、スピーカーが搭載されており、インターネットを通じて会話やリアクションができる。

 接客体験は、分身ロボットによる体験を通じてテレワーク就労への理解を進め、日ごろの学習活動との関連を意識し、接客体験を通じてコミュニケーションスキルの向上を図ることが目的。筋ジストロフィーなどの神経筋疾患児童生徒のキャリア形成における、遠隔型の社会参加の可能性を探り、教育課程の充実に向けた視野を広げる機会として期待される。

 このような取組を行っているのは、道内で同校のみ。以前は東京都にあるカフェで実施しており、道内での接客体験は今回が初めてとなる。

 当日、中学部と高等部の生徒3人が参加。三角山分校からパソコンでOriHimeを遠隔操作。操作アプリを通じて店内の映像を確認しながら接客、会話を行った。

 デモンストレーションで来客者への声かけや接客の流れ、会計をどのように行うのか確かめたあと、実際に接客を体験。生徒は「こちらのメニューがお薦めです」と大きな声で話し、ロボットを操作してコミュニケーションを図った。

 このほか、カフェの従業員に対し「接客で大変なことはありますか」「楽しいことは何ですか」などと質問し、接客への理解を深めた。

 体験した生徒は「とても緊張した。ハキハキと話すことを意識して接客した」と述べ、日常ではできない体験に充実した表情を浮かべた。

 森屋教諭は「生徒たちは、技術の発達によって諦めていたことにチャレンジできている。外の世界とつながることができてうれしい」と手応えを口にした。

 今後、生徒たちは、2月18日から札幌市内で開催されるオリィ研究所主催の分身ロボットカフェで、OriHimeのパイロット体験に参加する。

(学校 2023-01-19付)

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