道立水産海洋系高校生の乗船実習 今春から初の女性船員 渡島局が実習船で職場研修(学校 2023-01-25付)
渡島局実習船女性船員を迎えるための研修
【函館発】道立水産海洋系高校の生徒が乗船実習を行う実習船に、今春から初めて女性船員が従事する。多様な人材が活躍できる職場環境を確保しようと実習船管理室を設置する渡島教育局は13日、実習船・若竹丸と北鳳丸で職場研修を実施。生理による体調不良やセクシュアルハラスメント(セクハラ)に当たる事例など、女性の体力・精神的な不安軽減に努めようとする男性船員の質問が相次いだ。
国土交通省の調査によると、海運業における女性船員の割合は2・4%(平成28年時点)にとどまっており、男性が多い職場環境にある。
小樽水産高校と函館水産高校、厚岸翔洋高校の実習に使用されている道教委の漁業実習船においても、実習時の諸作業や船内業務に従事する船員はこれまで男性職員のみの状況が続いていた。
しかし、次年度の船員採用選考では、歴代初となる女性船員の採用が決定した。13日、若竹丸と北鳳丸の船員を対象に開かれた職場研修では、函館海上保安部管理課の阿部一雅専門官と楢山実機関士補が講師として参加。女性船員を迎えるための心構えを解説した=写真=。
乗船実習は約30~50日航海に出るため、船員と共に過ごす時間は長期間にわたるほか、マグロ漁や重い荷物を倉庫に運ぶなど、男性船員が女性船員の体力面の差を工夫して補う必要がある。
阿部専門官はこうした職場環境や業務内容を踏まえ、個別相談の場を設定するメンター制度を紹介。ボディータッチやデリカシーのない発言などセクハラに該当する行動や言動に関する注意事項を解説した。
精神的なケアに向けた心構えに加え、女性船員が生理による体調不良を訴えることができる職場環境を要請し「つらそうなときは声かけをするなど、察することが重要」と訴えた。
女性船員として海上保安部の巡視船「つがる」で従事する楢山機関士補は「体力差は常に感じている。業務の範囲が限られてしまう場面もある」と女性ならではの悔しさを明かした。
船員らは「業務の線引きによって就労差別につながってしまう可能性はあるか」「困ったときは誰に相談しているか」などと質問し、コミュニケーションを円滑にする取組を真摯に考えた。
渡島局によると、男女限らず、実習船では慢性的な船員不足が続いているという。
清水英勝実習船管理室長は「航海に出る生徒の中には、女子生徒も一定数在籍する。男女差なく活躍できる職場環境を構築することで、今後船員が増えるきっかけになれば」と期待を込める。
(学校 2023-01-25付)
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