札幌市 5年度当初予算案〈骨格〉 CS導入へ基本計画 給食費公会計化に82・7億円(札幌市 2023-01-31付)
札幌市は30日、5年度当初予算案を発表した。4月に市長選を控えた骨格編成で、一般会計の総額は前年度当初比2・6%増の1兆1922億円を計上した。教育費は、学校施設改築費などの増額によって24・9%増の534億2400万円。一般会計に占める構成比は4・5%となった。主な事業では、5年度から開始する学校給食費の公会計化の運営に係る経費として82億7400万円を積み上げた。また、小中一貫した地域とともにある学校づくり推進に1200万円を措置。新たにコミュニティ・スクール(CS)の導入に向けた基本計画の策定を盛り込んだ。
教育委員会の新規事業では、仮称・第2期教育振興基本計画の策定に向けて300万円を計上。
学校施設の省エネルギー化に向けた照明器具改修に1億6600万円を盛り込んだ。幼稚園1園、小学校47校、中学校20校、高校1校で実施設計に着手する。
また、4年5月に策定した「さっぽろ読書・図書館プラン2022」事業費に940万円を充てた。プランを推進するため、図書館の将来の在り方に関する調査研究および企画事業を実施する。
拡充事業をみると、義務教育学校関係費に350万円を充当。4月に開校する市内初の義務教育学校・福移学園への時間講師配置などを盛り込んだ。
小中一貫した地域とともにある学校づくり推進には1200万円を充てた。現在、有識者らで構成する札幌らしいCSの在り方検討委員会で協議を進めており、早期導入に向けた基本計画の策定を盛り込んだ。
地域活動推進には9000万円を措置。平日に拡大して実施しているサッポロサタデースクールを基盤に、新たに地域と学校の連携・協働体制の構築を支援する「地域と学校の協働体制支援事業」を44校で実施する。
学校施設の新築費には3億3300万円を充て、9年度開校予定の仮称・厚別南・青葉地区義務教育学校と藻岩・啓北商業高再編新設校の基本設計等に着手する。
子ども未来局の新規事業では、冷房設備が完備されていない公立保育所13施設に冷房を整備するため560万円を措置。電気設備等の状況に関する現地調査を実施する。
拡充事業では、子どもの貧困対策推進に3100万円を計上。新たに巡回先拡大に向けたニーズ調査を実施する。このほか、ヤングケアラー支援として1000万円を充て、交流サロンの拡大など支援体制の強化を図る。
札幌市の5年度当初予算案のうち、教育・子育て関連の事業はつぎのとおり。
【教育委員会】
▼生涯学習部
▽GIGAスクール構想推進費=8億7600万円
1人1台端末の効果的な活用に向けた機器やソフトウエアの整備など。
▽仮称・第2期札幌市教育振興基本計画策定費(新規)=300万円
仮称・第2期札幌市教育振興基本計画の策定。
▽地域ぐるみの学校安全体制整備推進費=1000万円
スクールガードリーダーによる学校巡回指導など。
▽学校給食費公会計運営費(レベルアップ)=82億7400万円
5年度4月から新たに市が学校給食費を一括して管理する公会計運営に必要な経費など。
▽食育推進費=110万円
学校給食の調理くずや残食を活用した食育・環境教育の充実。
▽家庭教育推進費=840万円
家庭教育学級の開設、講演会等の実施。
▽野外教育費=200万円
野外教育事業の再構築に向けた調査研究。
▽地域活動推進費(レベルアップ)=9000万円
サッポロサタデースクール事業平日拡大実施の取組を基盤に、新たに地域と学校の連携・協働の体制構築を支援する「地域と学校の協働体制支援事業」44校、学校図書館地域開放事業125校、知的障がい者のための成人学級3団体。
▽青少年科学館再整備費=8億5100万円
展示物および施設整備等の更新・改修。
▽学校施設新築費=3億3300万円
仮称・定山渓地区義務教育学校校舎1階建て延べ3345平方㍍(普通9教室、特別6教室、特別支援2教室)新築工事など。
仮称・真駒内地区義務教育学校実施設計。
仮称・厚別南・青葉地区義務教育学校、仮称・藻岩・啓北商業再編新設校基本設計。
▽学校施設増築費=3億9600万円
新発寒小校舎3階建て延べ965平方㍍(教室3室)増築工事など。
茨戸小実施設計。
▽学校施設改築費=55億1000万円
東山小校舎4階建て延べ6302平方㍍(普通14教室、特別9教室、特別支援4教室)、光陽小校舎3階建て延べ7025平方㍍(普通16教室、特別9教室、特別支援4教室)、元町北小校舎4階建て延べ7287平方㍍(普通18教室、特別9教室、特別支援2教室)・屋内運動場1389平方㍍、山の手小校舎3階建て延べ6491平方㍍(普通16教室、特別9教室、特別支援2教室)、発寒中校舎4階建て延べ8010平方㍍(普通21教室、特別15教室、特別支援2教室)、明園小校舎4階建て延べ6473平方㍍(普通15教室、特別9教室、特別支援3教室)。
本町小、東山小、発寒中、向陵中解体など。
二十四軒小グラウンド造成。
琴似小、新琴似北中実施設計。
▽学校施設解体費=4億8200万円
旧青葉小校舎等解体など。
東橋小、大谷地小、常盤中プール解体。
盤渓小、東栄中、真駒内曙中プール解体実施設計。
▽学校給食施設整備費=1億4800万円
琴似中央小給食室棟増築。
白楊小実施設計。
▽学校施設改修等整備費=60億4100万円
小学校延べ99校、中学校延べ56校、高校延べ6校。
▽学校施設リニューアル改修費=6億4700万円
小学校―リニューアル改修9校、実施設計4校、基本設計2校。中学校―リニューアル改修4校、実施設計3校、基本設計5校。
▽学校施設バリアフリー化整備費
小学校―バリアフリー化整備29校、実施設計28校。中学校―バリアフリー化整備17校、実施設計18校。
▽学校施設照明器具LED化改修費(新規)=1億6600万円
学校施設の省エネルギー化のための照明器具LED化改修。
幼稚園1園、小学校47校、中学校20校、高校1校実施設計。
(札幌市 2023-01-31付)
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