札幌市立高特事務職員会研究大会研究発表概要④ チーム学校へ体制整備を 旭丘高・中辻氏ら3氏(札幌市 2023-01-30付)
研究発表Ⅱ
▼研究テーマ=チーム学校の一員として~札幌市立高校・特別支援学校・中等教育学校事務室のチーム学校への関わり
▼発表者=市立札幌旭丘高校事務長・中辻拓実、市立札幌山の手支援学校・渡邉壇、市立札幌清田高校・田巻友茉
【はじめに】
平成26年7月、中央教育審議会は文部科学大臣から「これからの学校教育を担う教職員やチームとしての学校の在り方」について諮問を受けた。
それを受けて、同年9月に「チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会」が設置され、その後の会議、関係団体からのヒアリングの結果を取りまとめ、平成27年12月21日に「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策」について答申した(以下、答申)。
答申は、これからの時代に求められる学校教育の実現のためには教員が専門性を発揮できる環境を整備することが重要であり、そのための方策として、事務職員の活用や専門的スタッフの配置、地域との連携等により、教員と教員以外のものが一つのチームとして動いていくことによって学校組織全体の総合力を高めていくことが求められるという内容である。
答申が出されて本年度で7年経過するが、今回の研究では、私たちが勤務する札幌市立高校・特別支援学校・中等教育学校において、答申によって事務室運営に変化はあったか、「チーム学校」において現在どのような取組を行っているか、また、今後事務室は「チーム学校」の推進に向けどう関わっていくべきかを考察する。
答申は全ての校種(小学校、中学校、高校、特別支援学校等)を対象としたものであるが、より小・中学校に主眼を置いている印象がある。
そのため、高校、特別支援学校、中等教育学校に勤務していると、なかなか実感できない部分があるが、校種にかかわらず「今後の学校の在り方」という視点で見ていただきたい。
【答申を振り返って(事務職員関係)】
ここでは、答申において事務職員には何が期待されているのか、また、そのために国や自治体には何が求められているのか、あらためて確認してみたい。
日本の学校では、教職員総数に占める教員以外の職員の割合は約18%。これは米国の約44%、英国の約49%と比較してかなり低い割合となっている。そのことが、教員が学校において多くの業務を担わざるを得ない状況の一因となっている。
この状況で教員が子どもと向き合う時間を十分に確保するためには、事務職員や心理や福祉等の専門的スタッフが教育活動や学校運営に参画し、連携、分担して組織として教育活動に取り組む体制、つまり「チーム学校」を整備することが重要になる。
「チーム学校」を実現するためには、「専門性に基づくチーム体制の構築」「学校のマネジメント機能の強化」「教員一人ひとりが力を発揮できる環境の整備」の3つの視点から検討を行い、校長は、副校長・教頭や主幹教諭、事務長等とともに組織的に学校経営を行うことができるようなマネジメントを進めることが必要である。
また、学校のマネジメントにおける総務・財務面の重要性が増していることから、管理職を総務・財務面で補佐するために事務職員が担っている職務を見直し、学校の事務機能を一層充実していく必要がある。
(札幌市 2023-01-30付)
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