文科省SSH指定の旭西高普通科 探究活動が地域連携に イベント参加や商品共同開発
(学校 2023-02-07付)

旭川西高SSH①シャボン
イベントに出展し体験活動を提供

 【旭川発】文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校の旭川西高校(大槻健治校長)普通科の探究活動が地域との連携につながっている。11、12日は第64回旭川冬まつりの「フユノカガクカン」ブースで「割れにくいシャボン玉」「凍りやすいシャボン玉」の体験型イベントに参加予定。18~20日には大阪府の石焼き芋店と共同開発の酒かすスイーツを販売するなど、研究発表・交流会以降の取組につなげる教育活動を展開している。

 普通科2年生の浅田実希さん、中村桃華さん、小林由依さん、杉尾雪華さん、千葉暖花さんは「割れにくいシャボン玉をつくろう!」をテーマに研究。水、洗濯のり、洗剤、グリセリンの比率を変えて実験を行い、割れにくい比率を見つけ出した。

 昨年12月14、15日に同校などで行ったSSH生徒研究発表・交流会を訪れた「スキーホリデーで冬季滞在型観光を振興する会」事務局の星宏聡氏が同チームの発表を目にし、きょう7日から12日に旭川市内で行われる旭川冬まつりの「フユノカガクカン」ブースで11、12日の体験型イベントに出展するよう打診。さらに割れにくいシャボン玉のほか、凍りやすいシャボン玉の出展を求めた。

 現在凍りやすいシャボン玉の実験中。割れる原因の乾燥を防ぐ目的で入れていたグリセリンは凝固点が低いことから、蜂蜜で代用するなど研究を進めている。

 リーダーの浅田さんはテーマ設定の経緯を「お風呂で泡がすぐ割れるのはなぜだろう」という疑問から「シャボン玉がすぐに割れなかったら楽しいのではと思った」と。中村さんは実験の過程で「屋外では気象条件がそろいづらいことが難しかった」と振り返った。

 旭川冬まつり参加の打診を受けたことに対し、小林さんは「とても驚いた」と。また、当初は凍りやすいシャボン玉という要求に戸惑ったものの、釧路の高校での事例などをもとに実験を進めているという。

 薬剤師や建築関係など、チーム内で唯一理系の進路を希望する杉尾さんは「当日うまくできるか自信はないが、少しでも楽しんでもらえれば」、千葉さんは「小さい子だけではなく、自分たちと同じ高校生や保護者にも一緒になって楽しいと感じてほしい」と期待を寄せた。

 普通科2年生の中田來愛さん、笹森心杏さん、小田桐雛さんは「酒粕はカスじゃない!~第2弾」を研究。前年度「第1弾」として3年生の岡田愛理さん、奥野来未さんなどが進めてきた研究を引き継いだ。

 岡田さんは「苦手な人が多く、レパートリーも少なく、渋いイメージの酒かすだが、栄養価が高いことなどを知ってほしいと思った。高校生らしさを生かして企業とのコラボ商品をPRすることで、廃棄量を減らせれば」とテーマ設定の理由を振り返った。奥野さんらと共に、SNSを開設し、レシピの配信などに取り組んできた。

 昨年6月には旭川買い物公園で行われた「まちなかキャンパス」に参加。ブースで活動内容を発表していたところ、スマイルマルシェの運営の目に留まり、昨年8月のスマイルマルシェで旭川市のパン店「Bakery&Bakery」と旭川市の酒造会社「高砂酒造」の協力のもと、酒かすを使ったワッフルを商品化・販売した。

 今月18~20日には、大阪府の「なんばマルイ」で大阪府の石焼き芋店「焼き芋 香」と共同開発の酒かすスイーツを販売予定。現在は酒かす入りのスコーンにスイートポテトをサンドしたものや酒かすアイス、酒かすクラッカーなど、様々なレシピを考案し、提案している。

 引き継いだ研究でリーダーを務める中田さんは「初めは違うテーマを考えていたが“苦手を克服”という共通点から研究を引き継ぐことになった」と経緯を。笹森さんは「酒かすを混ぜるときに混ざりにくく、裏ごししたり、ブレンダーを使ったりと、いろいろ試してペーストにするのが苦労した」、小田桐さんは「酒かすの栄養価やおいしさを知らない人に、良く知ってもらえたら」と話した。

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旭川西高SSH②酒粕
旭川市の酒造会社協力でスイーツを商品化

(学校 2023-02-07付)

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