電線地中化、新技術紹介　苫工高で道路建設出前授業

（学校 2023-02-01付）

タブレットでAR技術を体感した

　【苫小牧発】苫小牧工業高校（諸橋宏明校長）で１月２５日、道路建設（株）（札幌、宮﨑健悟社長）による出前授業「建設ＤＸによる安全で美しいまちづくりへの貢献」が行われた。電線類の地中化や最新ＩＴ技術などの解説を通して、建設業への理解を深めた。

　同社は、開発局室蘭開発建設部発注「２７６号苫小牧市新中野電線共同溝設置ほか一連」工事を施工していることから、近隣の同校生徒たちに事業の重要性や、最新のＩＴ技術で課題解決を図っていることなどについて知ってもらおうと出前授業を実施した。

　取締役工事部長の千葉佑介氏と、現場代理人を務める工事部工事長の井上高弘氏らが土木科２年生４０人に授業を行った。

　建設ＤＸの意味や、無電中化によって、災害時の電柱の倒壊を防ぎ、街並みが美しくなるなど大きな効果があることを説明。

　課題として、道路・電線・通信線の管理者・自治体などとの調整や、架空線設置の１０～２０倍に上るコストの問題などを示した。

　また、埋まっているものが正確に分からないなどの課題を示すとともに、これらを解決する新技術を紹介。スケルカー・スケルカートでスキャンし地下埋設物を正確に探査し、データ解析することによって３次元化できることなどを解説した。

　生徒たちにも、実際にタブレットやスマートフォンの「ＬｉＤＡＲ」を使って、教室内を歩くと地下に電線共同溝が埋設されている様子が映るＡＲ技術等を体験させると「すごい！」と歓声が上がった。

　最新技術を活用することで、試掘などの準備に要する時間が少なくなること、維持管理も容易になることなどを伝え「建設業は３Ｋと言われていたが、これからは建設ＤＸ、ＩＴ技術の活用で作業を効率化し、給与、休暇、希望の新しい３Ｋを目指している」「建設業はどんどん新しいことにチャレンジしており、これからもっと良くなっていく。将来に希望を持てる業界だと知ってほしい」と呼びかけた。

　生徒たちは「共同溝に入れた電線は劣化しないの？」「水が入ってくるのでは」などと真剣に質問するとともに、ＡＲ体験では「こんなことまでできるのか」と感嘆した。

(学校 2023-02-01付)