道教育大附属札幌中 冬季研究大会 “自他”を往還する指導 数学・空間図形など7授業
(札幌市 2023-02-07付)

附属札幌中冬季教育研究大会
電子黒板を活用して切断面のイメージをつかませた

 道教育大学附属札幌中学校(萬谷隆一校長)は3日、同校で冬季教育研究大会を開催した。研究の目的「“自他”を往還し、批判的・創造的に学ぶ生徒の育成」のもと、7授業を公開。岩本和馬教諭が指導した1年生数学では、立方体の切断面について、交線の性質などの既習事項と関連付けて論理的に考えさせる授業を展開した。

 同校は、4年1月から「“自他”を往還し、批判的・創造的に学ぶ生徒の育成」を目的に掲げ、研究を推進している。

 8月から研究2年次に突入。1年次の成果と課題を踏まえ、研究目標を①各教科・領域をつなぐカリキュラム・マネジメント②既習と未習を意図的につなぎ合わせ、自他の思考を吟味しながら課題解決へ向かう授業の実践③研究目標①と②による変容の質的・量的な分析と検証―の3点と定めた。

 1年A組数学「空間図形~切断面、何が見えますか?」(生徒数35人)は岩本教諭が指導。単元では、空間図形の性質や関係を直観的に捉え論理的に考察する力などを育成するため、観察や操作、実験などを通して立体を分類したり比較したりする活動を取り入れている。

 本時は、立方体の切断面について考察する活動が中心。「なぜそのような切断面になるのか」と理由付ける思考を働かせ、直線と平面の位置関係や平面の決定条件など既習の知識と結び付けて説明する力を身に付けさせることをねらった。

 岩本教諭は導入で、切断面を決定する3点の位置が異なる立方体2つを提示。断面図を確認できるアプリを活用し、電子黒板に映し出した。3点を変更することでどのように切断面が変化するか全体で共有し、直感とのずれを生み出すことで「立方体を平面で切ったときにできる切断面は何か」という問題提示につなげた。

 「切断面を書く手順はどのように考えると考えると良いだろうか」という課題を示し、個人思考へ。

 全体交流では多様な切断面を紹介できるよう意図的に指名し、電子黒板で図形を示しながら考え方を発表させた。中でも「立方体の対面は平行なので、その考え方を使った」という生徒の考えを取り上げ、既習事項の交線の性質を想起させた。それによって、切断面を決定するヒントとなる考え方を全体で共有した。

 交流した意見を踏まえ、考え方を整理して手順を論理的にまとめる活動にグループで取り組ませた。岩本教諭は各グループを回り「平行になる個所とならない個所の違いは」「板書されている考え方で何が使えそうか」などと助言することで、既習の考え方と関連付けて考えられるよう促した。

(札幌市 2023-02-07付)

その他の記事( 札幌市)

札幌市小学校教頭会の次期研究主題 未来切り拓く力育む 研究組織 6部体制維持

 札幌市小学校教頭会(上田繁成会長)の5年度研究推進構想がまとまった。初年度を迎える第16次3ヵ年継続研究の研究主題を「共に未来を切り拓く力を育む 社会に開かれた活力ある学校づくり」と設定。...

(2023-02-08)  全て読む

継続・つながり大切に 全市研究大会で上田会長

小学校教頭会全市研  札幌市小学校教頭会(上田繁成会長)は1月中旬、ホテルライフォート札幌で4年度全市研究大会を開催した=写真=。集合形式での開催は3年ぶり。研究主題「共に未来を創る 社会に開かれた活力ある学校...

(2023-02-08)  全て読む

幻想的な空間を演出 スノーキャンドル製作 北白石中

北白石中雪学習スノーキャンドル  札幌市立北白石中学校(石井貴司校長)は1月24日、雪学習の一環で、スノーキャンドルを製作した。  同校では、札幌らしい特色ある学校教育のテーマの一つ「雪」に関わる取組として、10年程前か...

(2023-02-08)  全て読む

まちづくりビジョン戦略編最終案 不登校の学び支援 専門人材配置へ 札幌市 学校規模適正化も

 札幌市は、13年度までの市政運営の基本指針「第2次市まちづくり戦略ビジョン」戦略編の最終答申案をまとめた。教育関連では、不登校児童・生徒の学びの機会の確保に向けた専門人材の配置や、計画的な...

(2023-02-08)  全て読む

札幌市5年度当初予算案の教育関連事業⑥

【スポーツ局】 ▼スポーツ部 ▽アスリート発掘・育成・活用費(レベルアップ)=5600万円  中学校運動部活動へのアスリートの派遣、ジュニアアスリートを育成する取組の実施、規模を拡大し...

(2023-02-07)  全て読む

札幌市女性管理職会 研修会 仕事の面白さ伝えて リーダーの資質に傾聴など

女性管理職会研修会  札幌市公立学校女性管理職会(鷲足和枝会長)は1月中旬、ホテルライフォート札幌で本年度第2回研修会を開催した。(株)えんれいしゃコンテンツ事業局コンテンツ営業部部長の福崎里美氏が「poroc...

(2023-02-07)  全て読む

渡島教育研究所 所員共同研修講座 個々の理解度確立を 授業改善や学習評価テーマに

渡島教育研究所共同研修講座  【函館発】渡島教育研究所(福井博志所長)は1月上旬、七飯町大中山コモンで渡島市町教育研究所員共同研修講座を実施した=写真=。管内小・中学校の教職員35人が参加。授業改善や学習評価をテーマと...

(2023-02-07)  全て読む

札幌市 ヤングケアラー支援充実へ 交流サロン 月2回に 相談員の通年配置も検討

 札幌市子ども未来局は、ヤングケアラー支援の充実に向けて交流サロンの開催回数の増加や相談員の通年配置を検討している。交流サロンは月1回から2回に増やす考え。ヤングケアラー当事者の居場所づくり...

(2023-02-06)  全て読む

ロータリー杯中学校スポーツ大会 はつらつプレーに歓声 西・手稲区卓球部250人参加

ロータリー杯卓球大会  第41回ロータリー杯争奪西区手稲区中学校スポーツ大会が1月29日、手稲区体育館で開かれた。惜しまれつつ今回で幕を下ろす大会には、両区の中学校10校の卓球部員245人が参加。日ごろの練習成果...

(2023-02-06)  全て読む

札幌市 ヤングケアラー支援研修 心理理解し信頼構築を 専門家が基礎知識伝える

 札幌市子ども未来局は1月31日、ヤングケアラー支援研修の基礎編研修をオンラインで開催した。Mental―Consul代表の相内雄介氏が「ヤングケアラー世帯の支援について」と題して講話。ヤン...

(2023-02-06)  全て読む