標茶町教委　部活動地域移行研修会　子のこと考え取組を　幕別町の先進事例に学ぶ

（市町村 2023-02-27付）

　【釧路発】標茶町教委は１６日、町内のコンベンションホールうぃずで部活動の地域移行に関する研修会を開いた。道教委による部活動の在り方検討支援アドバイザー派遣事業を活用し、ＮＰＯ法人幕別札内スポーツクラブのクラブマネージャー小田新紀氏を招致。町内の教育・スポーツ関係者ら約３０人が参加し、部活動の地域移行について共通理解を図った。

　研修会は、生徒が将来にわたりスポーツ・文化芸術活動に継続して楽しむことができる機会を確保すること、また、中学校における部活動の段階的な地域移行について理解を深めることを目的としたもの。

　開会に当たり、青木悟教育長があいさつ。部活動の地域移行に関する国の改革の方向性と道教委の取組の概要を説明。「生徒たちが将来にわたり、スポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保するため、先進的に取り組んでいる幕別町を参考にしていただければ」と述べた。

　小田氏は学校部活動の地域移行について、どの地域も手探りの状態で試行錯誤を繰り返している状況と説明するとともに「子どもたちのことを考えながら取り組むことが課題解決への重要な第一歩」と話した。

　また、講演の中で教職員の過剰負担や限られた集団内で行う受け身の活動など昨今の部活動の課題を挙げ、地域移行を契機に多様な指導体制の構築、種目数や活動形態等の見直しを行うことで、子どもたちにとって「より豊かな環境」となり“健全な活動の創造”につながると示した。

　その上で、子どもたちの健全な成長はまちづくりにつながるとし「どんな地域にしていきたいのか」「地域で子どもたちを育てる」という地域づくりの視点を持って取り組んでもらいたいと呼びかけた。

　このほか、小田氏が取り組む幕別町での部活動の地域移行に関する実践事例として、生徒自身で活動の企画運営を行っている幕別清陵高校のＡＬＬ（オール）部などについて説明。地域のトランポリン施設を活用するなど地域と協働した部活動を展開していることなどを紹介した。

　参加者は、他地域の実践例などについて理解を深めることで、学校部活動の地域移行に関して共通理解を図った。

(市町村 2023-02-27付)