北海道発!GIGA活用セミナー 道内外のICT事例発表 eポータル活用など知見共有
(関係団体 2023-03-02付)

GIGAセミナー

 【旭川発】道教育大学と(株)内田洋行(東京)は2月20日、旭川工業高等専門学校で「北海道発!GIGA活用セミナー」を対面・オンラインによるハイブリッド方式で開いた。道内外の教育関係者が1人1台端末や学習eポータルなどの最先端の活用事例を発表。パネルディスカッションでは講師10人が登壇し、ICT活用の具体例や課題について意見を交わした。

 セミナーは道内におけるICT教育現場の活性化を目標として産官学連携で開催しているもの。札幌市、函館市に続く3回目の開催となる。

 開会式のあと、道教育大未来の学び協創研究センターの佐藤正範氏が「教育DXの現在地から、北海道の未来像へ」、内田洋行ICTプロダクト企画部の須藤綾子氏が「今さら聞けない?学習eポータルの基礎情報」をテーマにそれぞれ講演した。

 続いて道教育大附属旭川小学校の菊池勇希教諭、西條俊介教諭が「ICTを活用した新しい時代の学校運営および授業づくり」と題して同校の実践を紹介した。菊池教諭はICTの効果的な活用を図る環境整備について解説し、多様な働き方にも対応できるマイクロソフトのシェアポイントの利点を示した。

 また、内田洋行の学習eポータル「L―Gate」に追加された新機能「毎日の記録」の活用方法を紹介。毎朝の気持ちや体調、朝食摂取の有無、先生に伝えたいことを端末に入力させることで児童生徒の心の動きを客観的に捉えて指導に生かす工夫を取り上げ、端末を活用したコミュニケーションによる生徒理解に効果があったことを報告した。

 旭川市授業改善推進チーム端末活用推進チームは「旭川市におけるICT活用推進の取組」と題して説明。市内全78校を年2回訪問し、担任とのTT授業などの授業支援、学校訪問時のニーズに応じた情報提供など学校現場を支援する取組を紹介した。

 2年間の成果として、理科の授業では「実験の撮影等の活用から、仮説・予想など問題解決の過程の中で仲間と考えを深め合う場面で活用されるようになった」などと成果を報告。その上で「児童が主体となって学習問題を設定する授業が増えてきている」との考えを示した。

 つぎに大分市教育センター情報教育担当班の上野真指導主事が「聴いて伝えて、また聴いて。ともに進めるICT活用」、さいたま市立美園南中学校の宮内智教頭が「学習eポータルを導入した、さいたま市の取組の紹介」と題してそれぞれ発表した。

 このうち宮内教頭はメクビットとの連携時のポイントや留意点を解説し、特に新学期と転入時におけるアカウントの取り扱いについて注意を呼びかけた。また、メクビットを活用したアンケートやテストの実施、保護者向けの活用など今後の方向性を示した。

 パネルディスカッションに移り、メクビットを活用した事例や校務・教務の効率化などをテーマに意見を交わした。低学年のICT活用に関して菊池教諭からは、スタートカリキュラムの段階から端末を活用する重要性を示した。

 宮内教頭は、ICT化を推進する上で教職員の心理的安全を担保する教頭の役割を示し「“先生たちに一番近い応援団”として職務に当たっている」と伝えた。

(関係団体 2023-03-02付)

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