北教組 超勤・多忙化解消で提言 給特法廃止、標準法改正を 持ち授業時間数上限実現へ
(関係団体 2023-02-28付)

 北教組(木下真一中央執行委員長)は23日、超勤・多忙化解消に向けた提言を発表した。教職員の本来業務を授業や授業準備などと定義した上で、所定勤務時間に抑えるための1人当たりの週の持ち授業時間数の上限設定を提案。これらを実現するため、教職員定数増や標準授業時数削減のための法令改正、給特法廃止・抜本的見直し、平日を含めた部活動の社会教育への完全移行を訴えた。

 9月勤務実態記録の調査結果を公表した。これによると、時間外在校等時間と持ち帰り業務が月80時間を超えた教職員の割合が、全校種平均で22・3%に上ることが判明。特に中学校では33・9%に達し、教職員の3人に1人が過労死レベルになるなど、依然として過酷な勤務実態に置かれていることが明らかになった。

 時間外在校等時間の上限(月45時間)の順守状況をみると、全校種平均で51・9%が上限を超えており、看過できない状態が続いているとし、超勤・多忙化解消が急務であることをあらためて浮き彫りになった。

 また、勤務時間の管理に当たっては、休憩時間を把握している学校が34・1%、週休日・休日の業務時間を把握している学校が47・9%、在校等時間の状況を公表している自治体が44%にとどまっていることを示した。

 こうした実態を踏まえ、超勤・多忙化に向けた提言をまとめた。

 提言は①教員の中核となる本来業務の定義②1人当たりの週の持ち授業時間数の上限設定③前述2項目を実現するための法制度整備―の3点。

 教員の本来業務については、所定の勤務時間内に行うことができるよう「授業」「授業準備」「学習評価や成績処理」「子どもたちの休み時間・放課後における対応」「職員会議や朝の打ち合わせ会議、その他分掌会議、学年打ち合わせなど」「児童会・生徒会指導、学級活動などについて指導・アドバイスする時間」「行事」を定義付けている。

 週の持ち授業時間数の上限をみると、小学校で20時間、中学校で18時間、高校で16時間などを例示。「少なくとも1日当たり2時間以上の自律的に業務を行う時間が必要」とし、本来業務を所定勤務時間内に収めることが重要とした。

 これらを実現するため、

▽教職員定数を増やすための「義務標準法」「高校標準法」の改正

▽年間授業時数を削減するための学習指導要領改訂

 ―の2点が必要となり、「給特法の廃止・抜本的見直し」「平日を含めた部活動の社会教育への完全移行」が必要だとした。

(関係団体 2023-02-28付)

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