利尻町５年度教育行政執行方針　メクビット運用を検証　部活動地域移行へ説明会等

（市町村 2023-03-29付）

宮道信之教育長

　【稚内発】利尻町教委の宮道信之教育長は、定例町議会で５年度教育行政執行方針を説明した。ＩＣＴ教育については「ＭＥＸＣＢＴの運用や端末の持ち帰りについても検証・実証していく」との方針を示した。教員の資質・能力向上については「学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに捉え、教員の主体的かつ継続的な学びを支える研修体制の構築を５年度から実施する」としたほか、休日部活動の地域連携・移行に向けた説明会等を開催すると宣言した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼利尻を愛し、夢と志をもち、可能性に挑戦する子どもを育てる学校教育の推進

　本町の子どもたちは、学校内外における、様々な学習・体験をする中で、成長を強く実感できていることから「個別最適な学びと協働的な学びの実現」を目指し、引き続きキャリア教育、ＩＣＴ教育、地域の特性を生かしたふるさと教育等の充実に取り組むとともに、児童・生徒・教職員のメンタルヘルスケアを行いながら確かな学力の育成のため、「全国学力・学習状況調査」等の状況把握と分析を行い、常に指導方法の検証・改善を図りながら、基礎的・基本的な学習の定着を図っていく。

　また、学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに捉え、教員の主体的かつ継続的な学びを支える研修体制の構築を５年度より実施する。

　町では、地域の豊富な教育資源を活用するなどして、発達段階に応じたキャリア教育を推進している。小・中・高１２年間の指導の体系化と学校間の指導の一貫性を確保することによって、ふるさとの理解に始まり、地域や家庭生活においても子どもを育てる意義の理解が深まるよう取り組み、併せて、保育所と小学校の連携に始まり、小小連携・小中連携・小中高連携などの学校間連携の推進、教員の資質・指導力の向上などに取り組んでいく。

　ＩＣＴの活用については、ＧＩＧＡスクール構想のもと、児童生徒１人１台の取組を進め、個に応じた指導はもとより、グループ別指導や発展的な学習、考える授業と児童生徒の学習意欲の喚起と学力の向上にさらに役立て、ＭＥＸＣＢＴの運用や端末の持ち帰りについても検証・実証していく。

　人間性を育む心の育成を図るため道徳教育の充実や地域資源を活用した環境教育や体験活動、朝読書などの読書活動やボランティアによる読み聞かせ、体力・運動能力の向上を図るために「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」への全学年・全種目参加や、いじめ問題に対応するための生徒指導や教育相談体制の確立などにも取り組んでいく。

　外国語指導助手の配置を継続し、英語教育や国際理解教育の充実に努めるとともに、社会教育で実施している土曜学習においても、小学校１年生から英語に触れる機会の確保とコミュニケーション能力の向上を図り、各学年に応じた英語力の向上に努めていく。

　利尻中学校では、学校運営の改善・充実に対して保護者や地域住民が参画し、地域とともにある学校づくりを進めていく「コミュニティ・スクール制度」を活用した学校づくりを行っている。

　５年度も中学校を中心とした複数校導入についても検討を進め、既存組織を活用した上で、小学校から中学校への円滑な接続にもつながるよう、コーディネーターを中心に地域と学校の連携・協働体制の構築を進めていく。

　また、５年度から休日部活動の地域連携（移行）についても、説明会や研修会を行いながらニーズ・課題の把握をした上で、文化・スポーツ団体の活性化も含めた町の実情に応じた体制づくりを進めていく。

(市町村 2023-03-29付)