札幌市 児童虐待防止へ　区ごとに部局横断研修　事例検証通じ連携強化

（札幌市 2023-04-04付）

　札幌市子ども未来局は児童虐待防止に向けて、５年度から区ごとに部局横断型の研修を実施する。虐待事例検証を通じて担当者同士の連携を強め、専門性の高い職員集団を形成することがねらい。児童相談所をはじめ、健康・子ども課や保健福祉課などの職員や保健師らが参加する。

　令和元年に市内で当時２歳の女児が虐待死した事案を受けたもの。専門家らによる外部評価報告書で、市職員として段階ごとに身に付けるべき専門性を明確化した上で、専門職集団を形成する必要性が指摘されていたため、同局は４年度に人材育成ビジョンを策定。この中に部局横断型研修の実施を盛り込んだ。

　ことし１月末には白石、中央の２区で試行実施した。本年度は市内全１０区で展開していく。

　同局によると、対象は児相や各区家庭児童相談室をはじめ、健康・子ども課や保健福祉課、保護課などの職員、保健師や保育士らを想定しているという。過去の重大虐待事例や複合的な課題を持つ事例をもとにグループワークを行い、支援の方向性やそれぞれの職員が果たす役割について考える内容にする予定。

　同局担当者は「市全体で同じ方向を向きながら、職員の育成を一体的に進めていく」としている。

(札幌市 2023-04-04付)